1200号記念特集 5 未来の情報通信デバイス開発と社会への期待

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1200号記念特集 5 未来の情報通信デバイス開発と社会への期待 Future Information and Communication Device Development and Expectations for Future Society 山本 佳嗣

山本佳嗣 三菱電機株式会社高周波光デバイス製作所

Yoshitsugu YAMAMOTO, Nonmember (High Frequency & Optical Device Works, Mitsubishi Electric Corporation, Itami-shi, 664-8641 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.107 No.3 pp.216-218 2024年3月

©2024 電子情報通信学会

1.は じ め に

 「100年後の情報通信が支える未来予想図」というテーマに対し,一般の方からの応募作品に対する展望を執筆する機会を頂いた.私も子供の頃にSF小説や映画,漫画などで未来を舞台にした物語を見て,夢と希望を抱いた記憶がある.では,今回100年先の未来社会を定量的に見通せるかと言えば,多くの前提が不正確であり,実現可能性を見積もるにしても希望的観測にすぎないため困難である.しかし,作品の中に出てくる情報通信デバイスの実現には今後何が必要で,人間社会に適用した場合の問題点などについて,技術者として考察することはできるのではないかと考えてみることとした.物事にはいろいろな見方があり,種々の御批判等もあるかと思うが,作品に対する一考察として捉えて頂ければ幸いである.

2.3D の IC 基 盤

 私が今回興味を抱いた作品(作品10)の前半では,3DのIC基盤という下記のような目的を実行する機能を持つデバイスの実現が挙げられている.

何をしたいか,どこに行くのかなどの実現が瞬間的にできる.

ゲノム編集が自動的になされ,病気も未然に防ぐことができるようになる.

自分の生き方や寿命を決められ,見た目も変えることができる.

作品10 坂本 梓(徳島県美馬市立江原中学校3年)

 前提として,現在でも機能を限定したICチップ(RFIDタグのようなもの)を生体中に埋め込むことは技術的に可能であるし,将来的に機能デバイスの小形,省電力化が進めば,段階的に高機能化することが可能と考えられる.その上で,これら機能を有するデバイスを実現するために必要な要素は何かを考えてみたい.そのためには,実装すべき機能を分解し,それらを実現する手段を考えることが求められるので,それぞれの機能実現のためには何が必要かを考えてみる.


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