特集 11. 誌上談話会――パターン認識・メディア理解からの展望――

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特集 11. 誌上談話会――パターン認識・メディア理解からの展望―― Perspectives from Pattern Recognition and Media Understanding 柏野邦夫 舩冨卓哉 入江 豪 井上中順 川西康友 下西 慶 原 健翔

柏野邦夫 正員:フェロー 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所

舩冨卓哉 正員:シニア会員 奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科情報科学領域

入江 豪 正員 東京理科大学工学部情報工学科

井上中順 正員 東京工業大学情報理工学院

川西康友 正員:シニア会員 理化学研究所情報統合本部

下西 慶 正員 京都大学学術情報メディアセンター

原 健翔 産業技術総合研究所人工知能研究センター

Kunio KASHINO, Fellow (Communication Science Laboratories, NIPPON TELEGRAPH AND TELEPHONE CORPORATION, Atsugi-shi, 243-0198 Japan), Takuya FUNATOMI, Senior Member (Graduate School of Science and Technology, Nara Institute of Science and Technology, Ikoma-shi, 630-0192 Japan), Go IRIE, Member (Faculiy of Engineering, Tokyo University of Science, Tokyo, 125-8585 Japan), Nakamasa INOUE, Member (Department of Computer Science, Tokyo Institute of Technology, Yokohama-shi, 226-8502 Japan), Yasutomo KAWANISHI, Senior Member (Information R & D and Strategy Headquarters, RIKEN, Kyoto-fu, 619-0288 Japan), Kei SHIMONISHI, Member (Academic Center for Education and Media Studies, Kyoto University, Kyoto-shi, 606-8501 Japan), and Kensho HARA, Nonmember (Artificial Intelligence Research Center, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, Tsukuba-shi, 305-8560 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.107 No.3 pp.244-250 2024年3月

©2024 電子情報通信学会

1.100年後を語ろう

〔柏野〕今日は,本会のパターン認識・メディア理解(PRMU: Pattern Recognition and Media Understanding)研究専門委員会(研究会を運営する組織)の幹事団(委員長,副委員長,幹事,幹事補佐)に,オンライン&誌上でのバーチャル談話会にお集まり頂きました.私たちは日頃は研究会の運営や数年スパンでの研究の計画など,短い時間を意識した中で過ごす時間が多くなりがちですが,今回は「100年後の情報通信」という企画への応募作品に接する機会を頂きました.これを機に,幹事団で100年後の未来を語ろうというわけです.

 初めに100年という時間の感覚を確認しておきましょう.社会での大きな出来事で言えば,ちょうど100年前に関東大震災がありました(注1).日本でのラジオ放送は98年前に始まりましたが,その原動力の一つには災害対策があったと言われています.日本での電話の創業は少し遡って133年前ですが,100年前ぐらいにかけては自動交換の導入など徐々に進歩していました.第二次世界大戦の終戦は78年前ですが,その頃にノイマン形,つまり今普通に使われている動作方式のコンピュータが登場してきました.コンピュータの開発と第二次世界大戦とが深く関係しているわけですね.そして59年前にはもう新幹線が走っていました.このように眺めてみると,100年後にはまた大きく社会が変わっていそうでもありますが,実感を持つべき未来のような気もしてきます.

〔舩冨〕PRMUにも50年以上の歴史があります.始まりは「パターン認識と学習」研究会(PRL: Pattern Recognition and Learning)で,その第1回は51年前に開催されています.以降2度の改称を経て現在に至ります.パターン認識やメディア理解は,私たちが暮らす現実の世界の物事をコンピュータで扱えるように写し取る技術ですが,これはもう何十年もの間,問題意識として存在し続けていることになります.その間に認識や理解の対象は大きく広がり,方法論も変遷しています.特に最近10年間ぐらいでの変化は著しいですね.

〔入江〕今回の応募作品を見せて頂いて,意外と皆さん共通しているようなビジョンというか,日常での社会課題をよく受け止め,それを吸い上げて未来像を描いているなあと感じました.ただ,私たちの分野も含め情報通信技術は近年進展が著しいので,少なくとも技術的には,100年と言わず数年ぐらいで実現できそうなものも少なからずありました.

〔下西〕100年後にはできることは結構変わってる感じもありながら,スマートフォンを持ってるっていうイメージもまだ結構あるみたいですね.スマートフォンを持ち歩くのってどうなっていくんだろうな,と個人的には思っているのですが.だから,コミュニケーションの形が変わってくるだろうという点に着目した,柔軟な発想の作品に目が行きました.


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