オピニオン 編集者から見た「分かりやすい」研究発表のコツ

電子情報通信学会 - IEICE会誌 試し読みサイト
Vol.107 No.6 (2024/6) 目次へ

前の記事へ次の記事へ


オピニオン 編集者から見た「分かりやすい」研究発表のコツ Tips for an “Easy-to-understand” Presentation of Research by a Magazine Editor

1.ねらい…トラ技流「分かりやすい」術を研究発表にも!

 筆者は,技術雑誌の編集長を10年以上務めてきて,現在はエレクトロニクス月刊誌「トランジスタ技術(通称トラ技,図1)」の編集に従事している.その経験を基に,研究者・技術者の方々の専門的な知識の「分かりやすい」発表のコツを紹介したい.

図1 エレクトロニクス月刊誌「トランジスタ技術」(通称トラ技)の編集経験を基に「分かりやすい」発表のコツを紹介する

 雑誌の編集経験が基になるため,記事の作り方として解説するが,発表資料の作成から論文執筆,仕様書/申請書類/技術ドキュメントの作成等まで通じる考え方なので,適宜読み替えて頂きたい.

2.研究発表がなぜうまくいかないか

2.1 「発表」は実は発表じゃない

 本稿は学会誌の記事なので,読者は専門知識を持つ研究者・技術者の方々だと思う.皆さんは,自身の専門知識の説明や発表がうまくいかなかった経験はないだろうか? まずは,その理由を考えてみたい.

 原稿を編集していて常々思うことは,記事は作るまででなく,読者に届けるところまでが編集の仕事ということである.

 例えば,魚釣りは,魚を釣りたいのであって,針を投げることが目的ではない.

 同様に,発表は,発表相手を釣りたいのであって,発表そのものが目的ではないはずである.

 言い換えると,執筆・編集は記事を介した読者との,発表は発表資料を介した相手とのコミュニケーションと言える(図2).

図2 発表は発射するだけじゃなくて相手とのコミュニケーション


続きを読みたい方は、以下のリンクより電子情報通信学会の学会誌の購読もしくは学会に入会登録することで読めるようになります。 また、会員になると豊富な豪華特典が付いてきます。


続きを読む(PDF)   バックナンバーを購入する    入会登録

  

電子情報通信学会 - IEICE会誌はモバイルでお読みいただけます。

電子情報通信学会誌 会誌アプリのお知らせ

電子情報通信学会 - IEICE会誌アプリをダウンロード

  Google Play で手に入れよう

本サイトでは会誌記事の一部を試し読み用として提供しています。