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Beyond 5G時代を支える光ネットワークの技術動向と展望
小特集 5.
Beyond 5G超高速・大容量ネットワークを実現する帯域拡張光ノード技術
Bandwidth-expansion Optical Node Technology for Beyond 5G High-speed, Large-capacity Networks
Abstract
本稿ではBeyond 5G時代に向けた超高速・大容量ネットワークを実現する帯域拡張波長多重光ノード構成を提案し,その実現に必要なキー技術として早期かつ効率的に波長資源を拡大できる波長帯一括変換技術,ドライバIC内蔵コヒーレント通信用光変調器モジュールの広帯域化技術,高出力・低消費電力で駆動するラマン増幅器用励起光源技術の開発状況を報告する.
キーワード:帯域拡張波長多重光ノード,超高速・大容量化,波長帯一括変換,光変調器モジュール,ラマン増幅,励起光源
Beyond 5G時代においては高速大容量,低遅延,多数同時接続,高信頼などの特徴を生かした高速通信インフラの整備が期待されており,仮想現実(VR: Virtual Reality),拡張現実(AR: Augmented Reality)などのXR,超臨場感のあるフィールド体験,自動運転,遠隔操作など様々なサービスの提供が予想されている.これらを実現するためにはユーザ間,エリア間,データセンター間,及びデータセンター内などでのエンドツーエンドのデータ伝送を超低遅延かつ大容量に行う必要があり,これを支える光基幹ネットワークは集中型から分散型への移行が進み,更なる大容量伝送の実現が期待されている.
上述の社会的要請を受けて現在のWDM(波長分割多重:Wavelength Division Multiplexing)伝送システムは従来使われてきたCバンドのみならず,Lバンドなど他の波長帯適用の検討が進み始めており,一部商用化が始まっている.図1に示すとおり,光ファイバ伝送に利用する波長帯をCバンドから,Lバンド,Sバンド,Eバンド,Uバンド,Oバンドといった新しい波長帯へ拡大することで,既に敷設済のファイバをそのまま活用しながら,従来と比べて2倍,4倍までファイバ利用効率を上げることができる.またOバンドからUバンドまで波長帯域が利用できれば更に10倍にわたる波長資源の有効活用が可能となる.
このような帯域拡張技術を実現するためにC,LバンドからSバンド,Eバンド,Uバンド,Oバンドなどの新しい波長帯への拡大検討が学会などで報告され始めており,並行して広帯域で利用可能な増幅技術やWDM信号を一括で別の波長帯に変換する波長帯一括変換技術などの研究開発も盛んになっている(1)~(9).
本稿ではネットワークの大容量化に向け,持続的技術の一つである帯域拡張光伝送技術に着目し,帯域拡張波長多重光ノード技術,波長帯一括変換技術,帯域拡張光デバイス技術,帯域拡張光源・光増幅技術に関する最新の研究動向について報告する.
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