小特集 シリコンフォトニクスの産業展開と新応用 小特集編集にあたって

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Vol.108 No.12 (2025/12) 目次へ

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小特集

シリコンフォトニクスの産業展開と新応用

小特集編集にあたって

編集チームリーダー 庄司雄哉

 シリコンフォトニクスは光通信用デバイスの小形化・高密度化に向けて発展し,光電融合に向けた光集積回路のプラットホームとして重要な地位を占めている.CMOSプロセスとの互換性から多くのファウンダリーサービスが登場し,コモディティ化された製造プロセスと半導体産業の隆盛があいまって研究開発競争は激化している.これまで光ファイバケーブルや化合物半導体などの製造プロセスを強みとしてきた我が国の光通信デバイス業界は大きな転換期を迎えている.更に,その汎用性と機能性の高いプラットホームを利用して光通信にとどまらない新しい応用の開拓も期待されている.本小特集「シリコンフォトニクスの産業展開と新応用」は,シリコンフォトニクス分野の第一線で活躍されている研究者の方々に様々な応用に向けた最先端の研究開発を解説頂く,シリコンフォトニクスの産業展開に向けて示唆に富んだ企画である.これまでシリコンフォトニクス分野に携わってきた研究者からシリコンフォトニクスを活用した新応用を考えている他分野の研究者まで幅広く楽しんで頂ける内容となっている.

 第1章では,PwCコンサルティング合同会社の近藤芳朗様らから,独自ツールIntelligent Business Analyticsを用いたシリコンフォトニクス市場のデータ分析を紹介頂く.AI技術の発展を背景にしたデータセンターの電力消費量やデータ伝送量の急増,その対策として期待されるCo-Packaged Optics(CPO)技術の動向を俯瞰し,日本企業の国際競争力や強みについても同ツールを使ったデータ分析を解説頂く.

 第2章では,アイオーコア株式会社の中村隆宏様から,光電融合トランシーバIOCoreの研究開発を解説頂く.アイオーコア株式会社は我が国のシリコンフォトニクスの先駆けとなるFIRSTプロジェクトとその技術研究組合PETRAから誕生した新設会社である.環境温度変化にロバストな小形の光電融合トランシーバの研究開発に加えてCPU/MPUなど短距離で大量のデータ伝送を行うインフィールドフォトニクスへの展開について紹介頂く.

 第3章では,東京科学大学の堀川 剛様から,シリコンフォトニクスデバイス・回路の製造管理やウェーハ出荷検査で重要となるウェーハレベルテスティング技術について解説頂く.また,シリコンウェーハ上に異種材料集積されたアクティブ光素子の評価を紹介頂く.

 第4章では,横浜国立大学の馬場俊彦様から,シリコンフォトニクスをベースとした非メカ式ビームスキャナを搭載したFMCWライダ(LiDAR)の研究開発を解説頂く.シリコンフォトニクスれい明期のCMOSファウンダリーの利用やコリメートレンズを含めたモジュール実装といった先進的で開拓的な取組みについて紹介頂く.

 第5章では,東京大学の種村拓夫様らから,光ニューラルネットワークに向けた光演算回路について,最新の研究動向や種々の回路方式を分かりやすく解説頂く.多面光波変換に基づく作製誤差にロバストな独自の光演算回路についてシリコンフォトニクスを用いた集積デバイスの研究開発を紹介頂く.

 第6章では,産業技術総合研究所の渥美裕樹様らから,光チップと光ファイバの実装で重要となる光カップラについて分類と長所短所を解説頂く.更に,三次元湾曲シリコン導波路技術による光ファイバ結合デバイス及びそれを用いたビームステアリングデバイスの研究開発について紹介頂く.

 最後に,御多忙の中,執筆に御尽力頂いた執筆者の皆様に深く感謝申し上げる.また,小特集編集チーム並びに学会事務局の皆様には本小特集の企画・提案から校閲・編集作業に多大な御協力を頂いた.この場をお借りして御礼申し上げる.

小特集編集チーム

 庄司 雄哉   川上 雅士   吉田 知也   雨宮 智宏   風間 拓志   菊地 健彦   杉坂純一郎   甚野 裕明   藤田 和広   古市 朋之   美馬  覚   森本 佳太   和田  平 


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