小特集 1. 光電融合及びシリコンフォトニクスの市場及び技術動向

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シリコンフォトニクスの産業展開と新応用

小特集 1.

光電融合及びシリコンフォトニクスの市場及び技術動向

Market and Technology Trends of Photonics-electronics Convergence and Silicon Photonics

近藤芳朗 齋藤 望

近藤芳朗 PwCコンサルティング合同会社テクノロジー&デジタルコンサルティング事業部

齋藤 望 PwCコンサルティング合同会社テクノロジー&デジタルコンサルティング事業部

Yoshiro KONDO and Nozomi SAITO, Nonmembers (Technology & Digital Consulting, PwC Consulting LLC, Tokyo, 100-0004 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.108 No.12 pp.1134-1139 2025年12月


本記事の著作権は著者に帰属します.

Abstract

 AI技術の発展を背景に光電融合及びシリコンフォトニクス市場は大きく拡大している.実用化や量産に向けた動きが各国で加速しており,特にCPO技術への注目度は高い.弊社の独自ツールIntelligent Business Analyticsを用いて特許や投資データを分析したところ,低損失な伝送のための光接続など高精度技術や,小形で高効率な光集積回路を実現するためのシリコンフォトニクス要素技術開発が注目を集めていることが分かった.また,日本企業は光学制御技術を生かして国際的にも高い競争力を発揮していること,競争力の維持・強化のためには産学連携強化が重要になることが示唆された.

キーワード:光電融合,シリコンフォトニクス,技術動向,Intelligent Business Analytics

1.はじめに
――光電融合及びシリコンフォトニクスの概要と市場拡大――

 データ流通量の爆発的増加やAI技術の発展に伴い,従来の電子技術(電気信号)だけでは通信や処理の性能・効率面で限界が見え始めている.こうした中,光電融合技術が注目を集めている.光電融合とは,デバイス内部の信号伝送において電気信号の代わりに光信号を用いる技術であり,言わば「電子と光の融合」である.電気を光に置き換えることで,既存技術と比較して大幅な省エネ効果,高速・大容量通信,そして低雑音で安定したデータ伝送が期待できるとされている.また,通信の質を向上させるため,光ファイバによる高速データ転送と最新の無線通信技術を組み合わせ,低遅延かつ大容量のデータ通信を可能にすることも予想される.

 光電融合を実現する中核技術としてシリコンフォトニクスがある.シリコンフォトニクスとは,シリコン基板上に光回路を集積する技術で,CMOS半導体プロセスを応用して光通信デバイスを大量生産できる点が特長である.シリコンフォトニクスにより,光の高速・低消費電力伝送のメリットを既存の電子回路と同じチップ上で実現し,光と電子のシームレスな接続が可能となる.特にデータセンターや通信インフラ分野で,高い帯域幅と低い電力消費を両立する手段として近年需要が高まっている.シリコンフォトニクス市場は2022年時点にて世界全体で約13億ドル規模に達しており,今後も年率25%前後と大きい成長が見込まれ,2030年の市場規模は約80億ドル超に達するとの予測がある(1).このように,光電融合モジュール市場及びシリコンフォトニクス市場は今後更に成長が期待される分野である.急増するデータ需要とエネルギー効率化ニーズがこの背景にある.

2.データセンターの電力消費増大

 近年,クラウドサービスの普及やAI処理需要の拡大により,世界のデータセンター電力消費量は増加の一途をたどっている.国際エネルギー機関(IEA)の報告によれば,2022年に世界中のデータセンターが消費した電力量は推定約460TW・h(テラワット時)に達した(2).これは世界全体の電力消費の約1.5%に相当し,日本の総消費電力量(2021年度時点で約924TW・h)(3)の約半分にも匹敵する規模である.更にIEAは,データ需要の増大に伴い「2026年にはデータセンター消費が1,000TW・hを超える可能性がある」と予測する(2).僅か4年で現在の倍以上に増加する極めて急速な増加ペースであり,各国の電力インフラ・エネルギー政策にも無視できないインパクトを与える水準となる.この背景には,人々の生活や産業活動のディジタル化の進展がある.また,2020年代の状況の変化と,今後5~10年を展望する上で特に重要なのが,AI(人工知能)技術の飛躍的な発展と普及である.AI技術は学習や推論などの計算処理にばく大な電力を要するため,データセンター電力需要を押し上げる主因になると見られている(4)

3.データ伝送による電力消費

 コンピューティング分野において,電力消費を議論する際に重要となるのは,計算そのものではなくデータ伝送に電力の大半が使われている点である.一般的にCPUやGPUの性能については演算処理(浮動小数点計算など)の速さに注目が集まるが,消費電力の観点では演算よりも,メモリとのデータ移動や周辺回路制御の方がはるかに大きい.国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の調査報告によれば,典型的なプロセッサにおいて純粋な計算(ALU動作)が占める電力は全体の4~6%程度に過ぎず,残りの90%以上がデータ伝送や演算順序の制御に費やされている(5)

 データ伝送が電力を消費する理由は,物理的な信号伝送コストにある.例えば64bitのデータを1回計算処理するのに要するエネルギーは約20pJ(ピコジュール)であるが,それをチップ内の近くのメモリから読み出すだけで26pJ,離れた回路からなら256pJ,更にチップ外(外部DRAMなど)から読み出す場合は500~1,000pJを要するとされる(5).オフチップのデータ伝送は,同じビット数の計算処理に比べて桁違い(25~50倍)のエネルギーがかかる(5).これは主に,電気信号を配線で伝送する際に抵抗や容量への充放電でエネルギーが熱として失われるためである.高速・長距離になるほど損失は大きく,信号を途中増幅する必要も生じて更に電力を要する.

 通信において必要とされる電力は,AI時代にますます増加する.巨大なAIモデルでは,分散した数千個のチップ間で膨大なデータをやり取りしながら処理が進むため,ネットワークやメモリInput/Output(I/O)の電力がシステム全体のボトルネックとなる.JSTの報告においても,AI・ビッグデータ時代には爆発的な計算需要が予想される一方,半導体の微細化による省電力化は限界に近づいており,この電力増大の抑制が重要課題と指摘されている(5)

 このように,現在のICTインフラの消費電力問題を考える上では「いかにデータ伝送効率を上げるか」が鍵であり,この技術的な解決は飛躍的な省エネルギーにつながる.次章では,そのブレイクスルーとして期待される光技術導入による電力効率改善について述べる.

4.光技術導入による電力効率改善の可能性

 電気から光への移行が,データ伝送のエネルギー問題を解決する切り札となる.光通信技術をデータセンター内部やチップ内部にまで適用することで,飛躍的な電力効率向上が可能とされている.電気信号配線では長距離や高周波数では損失が増大するが,光信号は減衰が小さく長距離でもエネルギー効率がほぼ距離に依存しないという利点がある(6).また光は波長分割多重(WDM)によって一本の導波路で複数チャネルのデータを同時に送ることができるため,大容量化にも有利である.更に電磁雑音の影響を受けず並列信号間のクロストークも小さいため,高速化・安定化にも寄与する.

 光技術導入による電力効率改善の可能性に関して,どの程度の省エネ効果が得られるのかについて説明する.国際的な研究開発動向を見ると,近年は「1ビット当りのエネルギー消費(pJ/bit)」が重要な指標となっている.従来の電気銅線による数m以上のデータ接続では,おおむね20~50pJ/bit程度のエネルギーが必要であった.これに対し,シリコンフォトニクスを用いた光インタコネクト技術は世代を重ねるごとに省電力化が進み,電気銅線の半分以下のエネルギー効率が実現しつつある.こうした技術を通して,AI用途で問題となっている電力・熱の大幅な緩和が可能となる.

 また,光技術の導入は,距離に伴う制約も克服する.従来は基板上の配線長が数mを超えると電気では伝送が難しく,爆発的な電力増加が避けられなかったが,光に置き換えることでそれを解決できる可能性がある.端末からネットワークまでの全てに光の技術を導入し,エンドツーエンドでの光波長パスを提供するネットワークに移行できれば,従来は電気的制約で困難だった超高速・超大容量コンピューティングを,格段に低消費電力で実現できると期待されている.

5.技術開発の最前線

 光電融合モジュール市場の技術開発には多くの企業が注目しており,シリコンフォトニクス分野における研究開発は2000年代から継続的に行われている.既に100G/200G/400Gの光トランシーバ製品が主要クラウド事業者に数百万個以上出荷されている.

 次に注目されている技術は,「コパッケージドオプティクス(CPO: Co-Packaged Optics)」すなわち高性能プロセッサと光I/Oチップレットを同じパッケージ内で統合する技術である.

 大手ファウンドリー企業もシリコンフォトニクス技術開発に注力しており,例えばCPO実現に向けた先端パッケージ技術とシリコンフォトニクスを融合するプラットホームを推進する動きがある.これは光集積回路と電子集積回路を異種集積するもので,エネルギー消費の大きな削減につながる.このようなファウンドリーの取組みは,将来的にはファブレス企業においても,シリコンフォトニクスプロセスを使って独自チップを製造できるようになる可能性を示している.

 また,フォトニクス回路・RF回路・CMOSロジックを単一チップ上に統合したシリコンフォトニクス専用プラットホームが開発されている.特徴は電子と光の同時集積で,例えば光変調器や受光器と,その制御回路やドライバ増幅回路などをワンチップ化する.これにより部品点数の削減や高速動作,高信頼性が期待できるほか,従来の分離実装に比べシステム誤り率を著しく低減できると言われている.

 以上のように,主要半導体メーカ各社がシリコンフォトニクス/光電融合技術の開発を加速させており,2030年頃には光電融合モジュールの普及が見込まれている.

6.日本の国際競争力と企業事例

 光電融合/シリコンフォトニクス領域において,日本には世界に先駆けたビジョンと強みを持つ企業が存在し,技術面においても,例えば光電子融合プロセッサの開発や,レーザをチップ上に直接実装するメンブレンフォトニクス技術など,世界的にも先進的な技術を発表している.一方でグローバル競争は激しく,官民連携による戦略的取組みが求められる状況である.

 光ファイバ,通信ケーブルの領域において世界で高いシェアを持つ日本企業の中でも,近年はシリコンフォトニクスなど光デバイス分野に進出する動きが見られる.注目すべきは,エンドツーエンドでの光波長パスを提供するネットワークの実現に向け,他の企業と連携して機器開発を行っている点である.こうした企業同士の強みを生かした取組みが,将来の低遅延・低消費電力ネットワークの鍵となるだけでなく,世界でも存在感を発揮すると期待されている.具体的には,次世代接続サービスや,次世代パッケージ基板材料,光導波路の領域で成果を挙げつつある.

 日本には光通信・光デバイス分野で優れた技術を持つ企業が多数ある.一方で,シリコンフォトニクスの主要プラットホームは海外企業が支配しつつあり,日本企業は投資規模も限定的との指摘もある.そのため,経済産業省や国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構も「ポスト5G情報通信システム技術開発事業」などで光電融合技術に予算投下を始めており,巻き返しを図る動きがある.光ファイバ・光部品領域における日本の伝統的な強みを生かし,人材・資金・組織を能動的かつ適切に投入すれば国際的な競争力を維持することも可能であろう.産官学連携で光電融合デバイスの普及を先導していくことが,日本の競争力維持に求められる戦略と考える.

7.Intelligent Business Analyticsを用いたシリコンフォトニクス関連技術動向分析

 ここで,光電融合の中核的役割を担うシリコンフォトニクス関連技術動向について,PwCコンサルティングの独自ツール「Intelligent Business Analytics」を用いて分析する.

 Intelligent Business Analyticsは,対象技術領域のグローバル特許情報・投資情報・企業情報をインプットして独自アルゴリズムでAI分析を行う,戦略分析ツールである(図1).業界全体のトレンドを踏まえた重み付けによって対象領域の技術をクラスタリングし,各技術・企業をスコアリングする.マクロ動向の把握から,個別企業の技術ポートフォリオを市場視点で俯瞰するなどのミクロ分析まで様々な機能を備えており,定性・定量の両面からマクロトレンドや各企業の技術戦略を理解することで,新規事業や研究開発,スタートアップ投資やM & Aなど,企業の戦略検討に新たな洞察を提供するものである.

図1 Intelligent Business Analytics概要  グローバル特許情報・投資情報・企業情報をインプットして独自アルゴリズムでAI分析を行う戦略分析ツール.マクロ動向把握からミクロ分析まで様々な機能を備えており,定性・定量の両面から戦略検討に新たな洞察を提供する.

 シリコンフォトニクスとは,前述のようにシリコン半導体の製造技術を用いてシリコン基板上に光回路を構築する技術であり,要素技術としては光導波路,光スイッチ,波長フィルタ,光変調器,受光器,光源(レーザ)などが含まれる.シリコンフォトニクス技術を中核として,光集積回路と電気集積回路の距離短縮,チップ間の光伝送,チップ内におけるコア間の光伝送及び光信号処理,と光電融合技術の利用領域が拡大されて小形化・低消費電力化・高速化が進むことが期待されている(図2).

図2 光電融合技術とシリコンフォトニクス  シリコンフォトニクスは光電融合の中核的技術であり,様々な要素技術が含まれる.光集積回路と電気集積回路の距離短縮,チップ間の光伝送,チップ内におけるコア間の光伝送及び光信号処理,光電融合技術の利用領域拡大が期待される.

 図3は,Intelligent Business Analyticsによりシリコンフォトニクス関連技術のマクロ動向分析を行った結果である.縦軸は市場期待値(技術クラスタに含まれる企業へのマイノリティ出資額の合計であり,市場からの注目度を表す),横軸は技術スコア(技術の成熟度合を示す値),円の大きさは特許出願規模を表す.市場期待値と技術スコアによって偏差値60のラインである基準線により四つの領域に分け,領域1は技術シーズの探索を行う領域,領域2は今後技術開発が進む可能性が高い領域,領域3は現在技術トレンドになっている領域,領域4は技術的に成熟しつつある領域,と定義している.また,各クラスタ内の企業を欧州共同体標準産業分類(NACE)コードに基づいて事前定義を行った上で,クラスタは六つのバリューチェーン(Development, Manufacturing, Production, Logistics, Service, Others)に振り分けられている.

図3 Intelligent Business Analyticsによるシリコンフォトニクス関連技術のマクロ動向分析  縦軸の市場期待値は,技術クラスタに含まれる企業へのマイノリティ出資額の合計であり,市場からの注目度を表す.横軸の技術スコアは,技術クラスタ内の全企業のスコアの合計値により算出され,クラスタ内の企業の技術競争力が高いほど技術クラスタのスコアは高くなり,業界全体のその技術の進展が進んでいると解釈できる.(出典:Intelligent Business Analytics分析結果に基づきPwCコンサルティング合同会社作成.)

 領域2及び領域3には,バリューチェーン上でManufacturingに分類されるクラスタが多く分布している.関連要素やデバイス設計,製造技術の開発が活発な段階であって投資すなわち市場からの注目を集めていることが見てとれる.一方で,ServiceほかManufacturing以外に分類されるクラスタは主に領域1に位置しており,ユースケースやサービスの創出は発展初期段階にあることが示唆される.

 領域3に分布するクラスタのうち,市場性スコアが最も高いクラスタ「ファイバ開発と接続,その他光学制御技術」には,低損失・曲げ損失が少ない光ファイバ開発及び接続,位置決め技術,MEMSを用いたビーム制御や光学スイッチング技術などが含まれる.注目のCPO技術においても光ファイバの接続は課題となっており,低損失な伝送のための高精度技術の重要性が伺える.

 続いて市場性スコアが高いクラスタ「半導体光学装置」には,半導体レーザの開発及び集積化技術が含まれ,これらはデバイスの小形化と高効率化に寄与するものである.更に,波長可変レーザ技術もこのクラスタに含まれる.広い波長帯を利用することで光通信システムの更なる大容量化や低消費電力化が可能になり,この実現のために異種材料集積技術も注目を集めている.

 3番目に市場性スコアが高いクラスタ「集積回路設計技術」には,光導波路など各種構成要素の設計と製造,熱管理技術,機械学習を用いたレイアウト検証など,高効率でコンパクトな光集積回路を作り出すための技術が含まれる.

 次に,各主要国・地域のシリコンフォトニクス関連技術における技術ポートフォリオを比較する(図4).各国・地域のクラスタの位置は共通である一方,クラスタの大きさは各国のスコアを表し,そのクラスタにおける各国の技術競争力を示す.

図4 Intelligent Business Analyticsによるシリコンフォトニクス関連技術の国・地域別技術力比較  各国・地域のクラスタの位置は共通しているがクラスタの大きさは各国のスコアを表し,そのクラスタにおける各国の技術競争力を示す.バリューチェーン上でManufacturingに分類されるクラスタについては,日本は他国と比較しても全体に技術競争力が高く,製造業における日本企業の存在感を示している.特に「波長制御工学システム」と「非線形工学デバイス」クラスタにおいて高い競争力を示す.(出典:Intelligent Business Analytics分析結果に基づきPwCコンサルティング合同会社作成.)

 日本の技術ポートフォリオを見ると,他国・地域に比べ,Manufacturingに分類されるクラスタに技術競争力が集中する傾向が顕著であり,特にDevelopmentに分類されるクラスタの技術競争力が相対的に低い.これは,大学・研究機関の技術競争力が全体として十分に育っていないことを意味する.逆に,中国や欧州ではDevelopmentに分類されるクラスタの技術競争力が相対的に高い.欧州では,産学を含む共同開発コンソーシアムがパイロットライン(ePIXfab,PIX4lifeなど)を立ち上げ,欧州委員会も助成を行うなど,国を挙げた研究開発への投資が進んでおり,こうした活動の結果を反映しているものと推察される.

 Manufacturingに分類されるクラスタについては,日本は他国と比較しても全体に技術競争力が高く,製造業における日本企業の存在感を示している.特に,「波長制御工学システム」と「非線形工学デバイス」クラスタについては高い競争力を示す.「波長制御工学システム」には,高度な選択性や性能を持つ光フィルタ,波長選択スイッチや調整可能な光波長選択回路など特定波長の光を効率的にスイッチングするための技術,光信号の強度を増幅するための技術,などが含まれる.「非線形工学デバイス」には,偏光制御技術,光変調器技術,光の波長や位相や強度を空間的に制御する技術などが含まれる.前述のトレンド領域にある「光ファイバ開発と接続,その他光学制御技術」クラスタを含め,日本の製造企業はディスプレイ分野などで培った光学制御技術を生かして国際的にも高い競争力を発揮していることが示唆される.

8.ま  と  め

 AI技術の発展に伴い急増するデータ需要とエネルギー効率化ニーズを背景に,光電融合及びシリコンフォトニクス市場は大きく拡大している.各国が技術開発に注力しており,特にCPO技術への注目度は高く,実用化や量産化に向けた動きが加速している.CPOにおいても課題となっている光の接続に関連する低損失な伝送のための高精度技術が注目を集めているほか,小形で高効率な光集積回路を実現するためのシリコンフォトニクス要素技術の開発が進められている.日本企業は光学制御技術を生かして国際的にも高い競争力を発揮しているが,海外に比べて大学・研究機関の技術競争力が低下している恐れがある.産学を含む共同開発コンソーシアムをより活性化させる,国を挙げた研究開発への投資を進めるなど,今後の産業競争力強化に資する産学連携の強化や公的支援が求められるであろう.

文     献

(2025年6月30日受付) 

近藤芳朗

(こん)(どう) (よし)(ろう)

 平14京大・工・工化卒.平16同大学院修士課程了.平30早大大学院経営管理研究科修士課程了.化学企業,総合電機企業を経て2022 PwCコンサルティング合同会社入社.以来,光電融合はじめ半導体やディジタル産業分野に関わる次世代先端技術の調査や産学連携,事業戦略策定支援に従事.

齋藤 望

(さい)(とう) (のぞみ)

 平19東北大・薬・創薬化学卒.平21同大学院博士課程前期2年了.平24同大学院博士課程後期3年了.国立大学助教,外資系戦略コンサルファーム,知財分析ベンチャー企業を経て2022 PwCコンサルティング合同会社入社.化学・素材や先端科学領域のコンサルティング業務に従事.


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