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整合回路の基礎[Ⅰ]
――LC/CL整合回路――
An Introduction to Matching Circuit Fundamentals[Ⅰ]: Basic LC/CL Matching Networks
整合回路は,高周波回路における基本的かつ代表的な回路の一つである.整合回路は,増幅器のトランジスタと入出力の標準インピーダンス(一般に50)との間のインピーダンス変換をはじめとして,複数段から構成される増幅器における段間整合,更には合分波回路におけるインピーダンス変換など,様々な応用が存在する.整合回路の研究と応用には長い歴史があり,優れた教科書や参考文献も多数刊行されている(1)~(3).本稿では,初学者の理解を助けることを目的として,L(インダクタ)及びC(キャパシタ)による整合回路,更には伝送線路による整合回路について,なるべく専門的な知識を必要とせず基本的な動作原理が理解できるよう,数回にわたって解説を行う予定である.第1回となる今回は,「整合」とは何を意味するのか,そして整合回路の基本であるLC整合及びCL整合回路について紹介する.
整合が取れている状態とは信号源インピーダンスと負荷インピーダンスが複素共役の関係にある状態を示す.このとき負荷に伝達される電力が最大となる.簡単な事例として,図1(a)に示す回路で説明する.信号源は電圧源と直列抵抗
で構成し,負荷を抵抗
で示す.負荷に伝わる電力
は以下の式で与えられる.
(1)
ここで具体的に,
とすると
のとき,つまり
が成立するときに
は最高の1Wとなる.図2には
を0.1~10
の範囲で変化させたときの
の変化を示す.
が1
よりも大きくても小さくても
は減少することが分かる.


整合の指標としては反射係数と
の絶対値の対数表示であるリターンロス(dB表示),電圧定在波比(VSWR)がよく用いられる.今後よく用いる指標であるためここで復習しておく.信号源側から負荷側に伝わる入射波の電圧を
,電流を
,また,負荷側から信号源側に伝搬する反射波の電圧を
,電流を
とする.ここで反射係数
を以下のように定義する.
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