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機械と情報通信の双方から考えるサイバーフィジカル融合社会(日本機械学会連携企画)
編集チームリーダー 久保亮吾
本小特集「機械と情報通信の双方から考えるサイバーフィジカル融合社会」は,日本機械学会と本会との連携企画です.本会企画戦略室では,機械分野と電子情報通信分野の境界・融合領域における研究開発及び社会実装を促進するため,大会における連携セッションの実施,学会誌における連携特集の企画,両学会の各種イベントへの協賛など日本機械学会との連携を積極的に進めてきました.これらの一環として,電子情報通信学会誌2019年6月号では日本機械学会との連携小特集として「5G・IoT時代のキカイ」を企画し,日本機械学会誌との同時掲載を実現しました.前回の連携小特集企画から5年余りが経過し,両学会の境界・融合領域であるサイバーフィジカルシステムを中心としたSociety 5.0の実現が喫緊の社会課題となっています.
本小特集はこのような背景に鑑みて企画されたものであり,今後の当該領域における機械工学と電子情報通信工学の有機的な連携,融合の一助となれば幸いです.本小特集企画に先立ち,日本機械学会2022年度年次大会において連携セッション「機械と情報通信の融合によるCPS(Cyber-Physical System)の展開」を,2023年度年次大会において連携セッション「都市の未来(スマートシティ,都市OS,ロボティクス,Beyond 5G)」を開催しました.本小特集では,サイバーフィジカルシステムの情報通信側から見た要素技術と機械側から見た産業応用を示すとともに,サイバー空間とフィジカル空間が融合した都市の未来を機械及び情報通信の両視点から概観します.
本小特集は2章構成となっています.第1章「サイバーフィジカルシステムの要素技術と産業応用」では,5名の専門家の方々に御執筆頂きました.まず,総論として「各産業がCPSを通じてつながるSociety 5.0社会」では,Society 5.0におけるサイバーフィジカルシステムの必要性と,産業間でのデータ連携の重要性について解説して頂きました.第1章では総論に続き,分野間データ連携基盤に関する取組み,Beyond 5G/6G時代の高度なサイバーフィジカルシステム実現に向けた確率的ディジタルツイン技術,サイバーフィジカルシステムの農業分野及び製造分野における利活用について御紹介頂きました.第2章「サイバーとフィジカルが融合した都市の未来」では,4名の専門家の方々に御執筆頂きました.まず,総論として「都市のビッグピクチャとしてのシン・スマートシティ」では,縮小期または成熟期を迎える都市の未来像として,ディジタル技術やデータを活用した都市計画について解説して頂きました.第2章では総論に続き,社会基盤としてのBeyond 5G/6G,データ駆動形スマートシティの社会実装,くらしのインフラとしてロボットが存在する社会について御紹介頂きました.いずれの記事も機械と情報通信をはじめとした多角的な視点から社会システムを捉えており,サイバー空間とフィジカル空間の融合が新たな付加価値を生み出すことを実感頂ける内容となっています.
最後になりますが,本小特集の企画にあたりまして,御多用のところ執筆を御快諾頂きました両学会の専門家の皆様,編集作業に御協力頂きました両学会会誌編集委員会の皆様に心から感謝申し上げます.また,関連する大会企画をはじめ,長期間にわたり本小特集に関わって頂きました両学会の編集チームメンバー及び事務局の皆様に御礼申し上げます.本小特集が今後の両学会の更なる融合・発展のきっかけとなることを祈念しております.
電子情報通信学会・日本機械学会連携小特集編集チーム
電子情報通信学会
久保 亮吾 浅井 光太郎 小崎 成治
日本機械学会
倉爪 亮 高田 博 谷川 民生 堂前 幸康 松日楽信人 風尾 幸彦
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