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ロボット介護機器の展開に向けた環境整備
小特集 2.
ロボット介護機器の開発支援を目的とした安全ガイドの作成及びJIS規格の策定
Development of Safety Guidelines and JIS Standards for Supporting the Development of Robotic Care Devices
Abstract
ロボット介護機器の利用により介護現場の負担軽減が期待される.そのためロボット介護機器開発・普及の支援が多くなされた.しかし,介護現場及び一般家庭を対象とするロボット介護機器開発に際しては安全面の課題が産業現場と異なり,新規参入の障害となっている.そのため,安全評価を対象とした平易な手引書の公表により開発促進を試みる.また,ロボット介護機器重点分野のうちの3分野を対象としたJIS規格を策定することで市場における機器の安全水準を担保し,安全性懸念の払拭による普及促進を図る.本稿では,ロボット介護機器開発事業者向けの安全ガイド及びJIS規格の策定について紹介する.
キーワード:ロボット介護機器,開発支援,JIS規格,安全性評価
我が国の少子高齢化は今後も続くことから,介護分野の労働力不足が更に深刻化すると予想されている.ロボット介護機器の導入は,このような状況における介護者の負担軽減や高齢者の自立支援の手段として期待されている.経済産業省はロボット介護機器の重点分野を設定してロボット介護機器の普及促進に取り組んでいる.重点分野は,2012年に4分野5項目が指定され,2024年6月に3回目の改訂がされて9分野16項目となっている.
介護施設や家庭環境において使用されるロボット介護機器は,従来の産業用ロボットとは異なる要件を満たす必要がある.特に利用者との物理的な距離の近さや,利用者が機器の使用に不慣れであることにより,安全性に関する新たな配慮が求められ,これがロボット介護機器の開発を困難にしている.また,福祉機器の開発者は介護現場のリスクに関する知識を持つ一方でロボット技術の開発経験が不足している場合が多く,このことも参入障壁を高めている.こうした課題に対してロボット介護機器開発における安全性に関する課題を解決するための支援の提供が急務となっている.
我々は,こうした状況を解消して安全性の確保と技術開発の円滑化を両立することを目的として,ロボット介護機器の安全要求を平易に解説したガイドライン及び標準規格の提供に向けた活動を行っている.
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