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日本電信電話株式会社(NTT)と国立大学法人北海道大学は,マルチコア光ファイバ(MCF)技術に多モードコア構造を適用した多モード・マルチコア光ファイバ(MM-MCF)において,コア間・モード間の完全光結合を実現する新たな構造設計を世界で初めて考案・実証した.
NTTでは,IOWNの大容量光伝送基盤を実現するために従来技術より10倍以上の性能を有する伝送路の構築を目指し,技術候補としてMCFなどの空間分割多重(SDM)技術の研究開発を行っている.10以上の空間多重度を実現するSDM光ファイバの概要について図1に示す.これまで検討されてきた候補技術として,一つのコア内に複数種類の光(モード)が伝搬する多モード光ファイバ(MMF)や,コア間の距離を小さくし,隣接コア間の光信号が結合するように設計された結合形MCFがある.これらの光ファイバでは,光信号間の伝搬遅延差を小さくする必要がある.MMFでは距離に比例して伝搬遅延差が拡大する一方,結合形MCFでは信号がランダムに結合する特性を有しており,伝搬遅延差が距離の平方根に比例して増加し,特に長距離伝送において伝搬遅延差を大幅に低減できると期待されている.一方MMFは1コアで複数の信号を多重できるため,限られた光ファイバ断面積上で多重度を最大化することに優れている.このため,MMFと結合形MCF技術を融合することで,光ファイバ外径を従来と同等にしたまま,伝搬遅延差を低減しつつ多重度を拡大できると期待されるが,これまでMM-MCF構造において全てのコア・モード間での光結合は実現されていなかった.今回,コア・モード間の光結合を実現する新たな構造設計を提案し,その妥当性を実験的に検証した.
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