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宇宙で使っても壊れないハードウェア開発の最前線
小特集 1.
宇宙用部品に求められる信頼性と宇宙用MPUの開発
Requirements for Electronic Components in Space Applications and Development of High Reliability MPU
Abstract
地球周回衛星を利用した高速通信網や合成開口レーダ衛星に代表されるような高精度地球観測の需要が高まるに従い,宇宙機に搭載される電子部品に対しては更なる高性能・高機能化が求められている.一方,厳しい宇宙環境でも“壊れない”信頼性の確保は欠かせない状況が続いている.本稿では,中核となるディジタル計算機部品の宇宙環境下で求められる信頼性について述べるとともに,我々が開発した「高性能・高機能」と「高信頼性」を両立した宇宙用MPU: SOISOC4について紹介する.
キーワード:衛星,MPU,放射線,ソフトエラー,信頼性
2020年代に入り小型宇宙機を利用したコンステレーション事業など,本格的な宇宙空間の産業化に向けて宇宙機開発の裾野も拡大している.宇宙機に求められる寿命やライフサイクルも数か月から数年と短いケースが増えてきており,安価かつ高性能な民生部品(COTS: Commercial-Off-The-Shelf部品)が採用される機会も多くなった.一方,本稿で紹介する宇宙用MPU(用語)(図1)は,高い信頼性と長寿命が求められる大型宇宙機や静止衛星,深宇宙探査機等への使用を想定し,信頼性確保のためにCOTS部品にはない宇宙特有の考え方や技術を適用している.宇宙機を支える電子部品が“壊れない”ことは,軌道上サービスの維持やその先にある本格的な宇宙の産業化には欠かせない要素であることから,紹介する信頼性確保への取組みは,寿命やライフサイクルの短い宇宙機開発にも,参考にして頂けると考えた.なお,本稿における“壊れる”とは,永久的な故障だけでなく,特に宇宙で問題となる誤動作等の現象も含めて説明する.
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