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解説
PPLN型光パラメトリック増幅器を用いたマルチバンド増幅中継伝送技術
Inline-amplified Multiband Transmission Using PPLN-based Optical Parametric Amplifier
A bstract
ディジタル信号処理技術の進展によって光ファイバ伝送システムの周波数利用効率は理論限界に近付いており,更なる大容量化のためにはSN比の改善と伝送帯域の広帯域化が必要となる.本稿では,光伝送システムの更なる高度化に向けた,周期分極反転ニオブ酸リチウム(PPLN: Periodically Poled Lithium Niobate)導波路を増幅媒質とした光パラメトリック増幅器(OPA: Optical Parametric Amplifier)を活用した光伝送システムの研究について解説する.特に,OPAの波長帯変換機能を用いたS+C+L+Uバンド増幅中継器について紹介する.本中継器を用いることで4バンド波長多重信号の初の1,000km級長距離増幅中継伝送を実現し,従来帯域(4~5THz)の4倍超となる22THzの伝送帯域と,133Tbit/sの伝送容量を達成した.
キーワード:光ファイバ通信,波長分割多重,光パラメトリック増幅器,周期分極反転ニオブ酸リチウム
光ファイバ通信網は,インターネットなどを介し様々なデータがやり取りされる現代社会を支える通信インフラの根幹を担っている.基幹伝送網では,波長方向に伝送チャネルを多重した波長分割多重(WDM: Wavelength Division Multiplexing)信号を,エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA: Erbium-doped Fiber Amplifier)を用いて一定区間ごとに増幅しながら数百km以上にわたり中継伝送するシステムが導入されている.2010年代にはディジタルコヒーレント方式の導入による周波数利用効率の向上によって,システム容量は10Tbit/s級に増加している(1).一方で,近年のディジタル信号処理技術の成熟によって周波数利用効率は理論限界(シャノン限界)に近づいている.更なる伝送性能の改善のためには,伝送帯域の広帯域化とSN比(SNR: Signal-to-Noise Ratio)の向上が重要となる.
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