対象に特化した人工画像生成による深層モデルの事前学習

　(株)東芝は，画像解析AIにおいて，必要な学習データが十分に得られない顕微鏡画像や赤外線画像，生体画像といった特殊な装置や環境下で撮影した産業用途の画像（非自然画像）を高精度に解析するための事前学習技術を開発した．

　様々な画像識別タスクに深層学習の応用が進んでいるが，学術分野をはじめとする多くの場合，動植物や乗り物といった被写体を一般的なカメラで撮影した自然画像から成る大規模自然画像データセットを使用している．しかし，実利用の場面においては，特殊な環境下または専用の装置で撮影された非自然画像（図1）が対象であることが多く，また，撮影に時間やコストを要するため，入手できる画像が大規模自然画像データセットに比べて小規模となる傾向にある．