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(2025年6月5日(木) 機械振興会館において開催
【招待パネリスト】 (敬称略)
甘利俊一 東京大学
【パネリスト】
中島秀之 札幌市立大学
川人光男 ATR
上田修功 理化学研究所
松尾 豊 東京大学
岡野原大輔 Preferred Networks
【ファシリテータ】
篠田浩一 情報・システムソサイエティ会長
[篠田] まず最初は2024年のノーベル物理学賞について.プリンストン大学のホップフィールド教授と,トロント大学のヒントン教授に授与されました.
このように,純粋に数理的な研究に物理学賞が与えられるというのは,意外でした.まず最初に甘利先生にお伺いします.ホップフィールド氏は,ほぼ同年代で活躍されていたと思うのですが,どのような印象をお持ちでしょうか?
[甘利] ノーベル賞,私もびっくりしました.物理学がいち早く越境して,この分野に唾をつけた.ある意味では早すぎるんですよね.だって,人工知能のモデルって大規模言語モデルだけではないし,今のモデルは,まだまだ開発途中だと思っていますから.でも,いち早く唾をつけたというのは,大したものだと思いました.
私からヒントンの業績を見ると,いろいろ源流はあったが,ノーベル賞は1980年代以降の技術発展に重点を置いている.でも,やっぱり一番大きいのは,1980年代の誤差逆伝搬法(バックプロパゲーション).もちろんこれは大きいけれども,そこから始まったわけではない.パーセプトロンは,元々ローゼンブラット(の考案)なんですよ.あれはもう本当の第一人者でしたよね.でもヒントンは「多層にすると本当にいいんだ」と.そのためにいろいろな工夫を重ねて,本当にいいことを実証した.これは大したものだと思います.
ホップフィールド(の主な業績)について言えば,連想記憶なのですが,多分,クロトフ(Krotov)とホップフィールドの共著論文だと思います.あれはアテンションメカニズムが出たのとどちらが先なんですか? アトーキャナウト,とも思いますけど.
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