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◆今月のニュース解説
①次世代AIデータセンター向けプラスチック光ファイバ技術を開発
――マルチコアで1心当り106.25Gbit/sを実現,補正処理削減で低遅延化に貢献――
Advanced Plastic Optical Fiber for AI Data Centers: 106.25Gbit/s per Lane with Multicore Design and Simplified Signal Correction for Low Latency
②強磁性窒化鉄において磁気ひずみの巨大変調を実証
――フレキシブルなスピントロニクス素子のための新材料として期待――
Giant Tunability of Magnetoelasticity in FeN System: New Material for Flexible Spintronic Devices
③1,000km級の大規模な空間多重光ネットワークの実証実験に成功
――空間クロスコネクト,マルチコアファイバ光増幅器など基盤技術を確立――
Successful Demonstration of a Large-scale 1,000km-class Space-division Multiplexed Optical Network: Key Technologies Established, Including Spatial Cross-connects and Multicore Fiber Amplifiers
④検証可能学修情報と連携したAI大学講師システムを開発
――GPTs技術による個別最適化教育とハルシネーション抑制を両立――
Develop an AI University Lecturer System Integrated with Verifiable Credential Data: Achieving Both GPT-powered Personalized Education and Hallucination Suppression
⑤Beyond 5G向け新型ディジタル送信機CMOS ICを開発
――1.8倍の電力効率でIoT機器の省電力化を加速――
Developing a New Type of Digital Wireless Transmitter for Beyond 5G with 1.8 Times the Power Efficiency: Accelerates the Energy-saving Effects of IoT Devices
――マルチコアで1心当り106.25Gbit/sを実現,補正処理削減で低遅延化に貢献――
慶應義塾大学 慶應フォトニクス・リサーチ・インスティテュート(KPRI)の小池康博所長と村元謙太特任講師らは,国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の委託研究(JPJ012368C08001)において,次世代AIデータセンター向けの大容量通信技術として,1心当り最大106.25Gbit/sの超高速伝送が可能なマルチコア構造の屈折率分布形プラスチック光ファイバ(GI-POF)の開発に成功した.更に,GI-POFから伝送雑音やエラーが大幅に抑制されることを実証し,補正処理の削減によって低遅延・低消費電力の通信を実現できる可能性を示した.
近年,生成AIの急速な普及に伴い,大規模演算を担うデータセンターでは,大容量かつ低遅延の通信が求められている.特に,多数のアクセラレータを連携させるAI処理では,機器間の僅かな通信遅延がシステム全体のスループットに大きく影響するため,機器同士をつなぐ短距離通信の高速・低遅延化が重要な要素となっている.
本研究では,高速通信が可能なGI-POFを押出成形により一括多心化する技術を確立した.本手法では,ダイ(成形金型)の設計により,心数やコア配置,外形形状を自由に設定して,マルチコアGI-POFを一括成形することができる(図1(a)).これにより,従来のガラス製光ファイバで必要とされていたリボン化や多心コネクタの実装工程が不要となり,多心化にかかるコストを1/10~1/100程度に削減できると試算されている.
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