
MOS界面欠陥の電気的評価手法[Ⅱ]
──MOS界面欠陥の特性による評価──
Electrical Evaluation Method for MOS Interface Defects[Ⅱ]:Evaluation of MOS Interface Defects by Characteristics
1. は じ め に
前回の講座では,MOS構造における界面欠陥の種類とその性質や物理的起源について,紹介した.これを踏まえて,今回はこれらの界面欠陥の量や密度を定量的に評価する方法として,MOSキャパシタの容量特性から求める方法(1),(2),(3),(4),(5)について述べる.電気的特性から評価する方法は,MOSトランジスタの電気的特性に直結しているばかりでなく,界面欠陥の量を最も感度良く評価する方法である.加えてMOSキャパシタという簡単な二端子構造のデバイス構造を用いて簡便に行えることから,最もよく用いられる評価手段である.
MOSキャパシタの容量やコンダクタンスの特性を理解する上では,各コンポーネントの応答を等価回路として表現することが重要である.図1にMOSキャパシタの交流応答の模式図と簡便な等価回路を示す.標準的には,図1にあるように直流バイアスに小信号の交流バイアスが重畳した入力電圧をゲート電極に印加し,交流電流を測定することにより,キャパシタンス成分とコンダクタンス成分を決定する.ここで,直流バイアス値を変化させることで,容量―電圧()特性やコンダクタンスー電圧(
)特性を測定することができる.このとき,界面準位や界面欠陥が存在することで,
特性,
特性が変化することから,実験的に得られた特性を解析することにより,界面欠陥の密度を定量的に求めることができる.今回の講座では,界面欠陥のうち界面準位密度と酸化膜中の固定電荷密度に絞って,容量特性から界面密度量を定量的に評価する方法を紹介する.

2. MOSキャパシタの理想容量―電圧特性
容量特性から界面準位密度を求めるに当たり,まずは界面欠陥のない理想的な容量―電圧()特性について理解する必要がある.図2に,p形半導体基板上のMOSキャパシタの典型的な
特性と界面準位のない理想的なMOSキャパシタの等価回路を示す.ここで,
は酸化膜容量,
は空乏層容量,
は半導体表面蓄積層のフリーな正孔による容量,
は反転層のフリーな電子による容量である.また,界面準位に起因する等価回路成分である
,
は含まれない.

