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Vol.109 No.3 (2026/3) 目次へ

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タイトル4.

ISS30年を振り返る

Looking Back on 30 Years of ISS

情報・システムソサイエティ前会長 斎藤英雄

1. は じ め に

ソサイエティ制が導入されてから30年が経過した.私は制度導入前の1987年に学生員となり,学生時代は本会論文誌への投稿を行いながら,研究発表の場としては必ずしも本会に限定せず,テーマに応じたシンポジウムや国際会議を中心に活動していた.1992年に博士学位を取得して教員となった際,指導教授から「場当たり的に発表先を選ぶのではなく,ホームグラウンドとなる学会や研究会を定め,継続的に活動することが望ましい」と助言を受けた.そのため,当時のPRU研究会(現PRMU研究会)を主な活動拠点とし,参加・発表を続けるようになった.

1995年にソサイエティ制が導入されたが,当初は制度の変化を強く意識することはなかった.その後,「知能情報メディア研究専門委員会」の活動やシンポジウム運営に携わり,1999年にはPRMU研究専門委員会の幹事補佐となった.この頃も,制度の枠組みそのものを強く意識することはなく,「研究成果が多少不十分でも,若手幹事として研究コミュニティに貢献すること自体に意味がある」と考え,学会運営の一端を担うことを楽しんでいた.

このような経緯から,私自身はソサイエティ制導入前を直接知る立場ではなく,その是非を論じることは難しい.そこで本稿では,まずISSの歴史を振り返り,続いて現状について述べることとしたい.

2. I S S の 歴 史

ISS(Information and Systems Society)は,1995年にソサイエティ制が開始された際,A~Cに続く4番目の「Dソサイエティ」として発足した.この呼称は,それ以前に「電子情報通信学会論文誌」がA~Dの4分冊に分かれていたことに由来する.D分冊は「情報・システム」を対象とし,当時は論文数が多く,1989年からは1か月分の冊子に収まりきらず2分冊に分かれていた.例えば1994年には,D1が年間817ページ,D2が2,393ページ,合計で約400編の論文が掲載されていたことになる.その後,和文論文の減少とともに,Bは1999年,Cは2000年,Dは2006年にそれぞれ1分冊に戻った.2024年のD分冊は543ページであり,当時の規模と比較すると大きな変化があることが分かる.

D分冊の創刊は1972年であり,それ以前はA(基礎・境界),B(通信),C(電子)の3分冊体制であった.和文論文誌Dの創刊号には「オートマトン」「組み合わせ回路」「順序回路」「学習機械」など,今日のISS分野の礎であり,形を変えながら今なお底流で活用され続けているキーワードが並んでいる.数式や概念は現在の論文と大きく変わらず,実装手段のみがコンピュータではなく電子回路であったことが興味深い.このことから,ISSの源流は1972年のD分冊創刊に遡ると言えるだろう.

ISSの研究専門委員会は,1995年のソサイエティ制導入時は15であった.その後,ISS分野の発展とともに研究会数は増加し,現在は23となっている.ISS会員数(ISS登録者数)は,1995年は12,406名(総会員数の31.9%),2024年度は8,129名(総会員数の35.8%)となっており,最も会員数が多い通信ソサイエティに次ぐ多くの会員数である.

3. 現状のソサイエティ制の運営体制

現在,ISSは図1に示すような体制で運営されている.

会長・次期会長と,それぞれが指名する庶務幹事2名が幹事団として中心的な役割を担い,ISS運営委員会を組織している.運営委員会は,

・ 論文誌・ソサイエティ誌・本会誌を担当する編集会議

・ 研究専門委員会を担当する技術会議

・ 財務を担当する財務グループ

・ 広報と国際活動を担当する企画広報・国際グループ

の四つから構成され,各グループは副会長がリーダーとして運営を統括している.


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