
エンジニア・研究者から見た子育て・育児支援
NECの男性社員育休促進に関する新たな取組み
NEC’s Push to Promote Paternity Leave for Male Employees
インタビュー回答 長井友宏 中村光里(NECピープル&カルチャー部門)
インタビュー回答 白瀬大地(NECアドバンストネットワーク研究所)
記事取りまとめ 川端明生(豊橋技術科学大学)
1. は じ め に
「エンジニア・研究者からみた子育て・育児支援」連載の2回目は,日本電気株式会社(NEC)の男性社員向けの育休促進に関する取組みについて紹介する.育児休業(育休)の取組みは,女性向けの制度として運用している企業が多い中で,NECでは男性向けの取組みにも注力していることを特徴としている.本制度は2024年10月に大きく見直され,産前から産後,更には復帰後までの包括的なサポートの“パッケージ化”を図ったとのことで,お話を伺った.上司,職場,そして会社全体が仕事と家庭の両立を応援し,それがNECのパワーアップにつながっていくとの企業の思いを実現したものであるという.記事前半の制度関連のお話をピープル&カルチャー(人事)部門の長井さん,中村さんに,後半に実際に利用された社員としてのお話をアドバンストネットワーク研究所の白瀬さんに伺った.
2. NECの取組みについて
2.1. 取組みの経緯
2022年10月の「産後パパ育休」の創設,その後の取得率の開示義務化など,ここ数年で男性育休を取得促進するための法整備が進められた.NECとしても,社員とその家族のウェルビーイング向上策として,それが企業価値の向上や組織力の強化にもつながると考えているため,「男性のための育休ガイド」の発行や男性育休取得者インタビューの連載などに力を入れ男性の育休取得を推進してきた.しかし,男性社員の場合,社員にお子さんが産まれたことを会社が把握できるのは,子供が産まれて家族構成の変更手続きをするときということが多かったため,産前で育休取得を働きかけることに難しさがあった.出産に向けての準備期間も含めて会社がサポートし,また産前~産後~育児まで包括的なパッケージとして確実に育休を取得できる制度を作れないかとの思いがあった.そこで,2024年10月より「男性社員育休促進」の更なる強化として既存の制度を大きく見直し,社内の認知と利用促進に注力している.
2.2. 育休制度の概要
制度の利用にあたっては,パートナーの出産予定日の3か月前までに育休計画シートを作成する(図1).出産予定日,休暇の計画,育児計画,家族との相談状況,担当業務の引継ぎ等について記載し,職場の上司と面談を実施しコミュニケーションを図る.上司と合意した育休計画シートの提出によって,会社より産前ペアレント・ファンドとして10万円が支給される.後半に記載する利用者インタビューでも,産前ペアレント・ファンドが支給されることが,育児計画シートを作り,職場と相談するモチベーションにもなり,育休の計画を事前に立てて,確実に取得するための,よい機会になったと話している.

