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Vol.109 No.5 (2026/5) 目次へ

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タイトル1.

人工知能AIを活用した持続可能な社会システムの展望

Prospects for Sustainable Social Systems Utilizing Artificial Intelligence (AI)

森本章倫

森本章倫 早稲田大学理工学術院

Akinori MORIMOTO, Nonmember (Faculty of Science and Engineering, Waseda University, Tokyo, 169–8555 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.109 No.5 pp.340–344 2026年5月

© 2026 電子情報通信学会

本稿では,持続可能な都市社会システムを形成する上で,AIの望ましい役割について紹介する.少子高齢化や地域間格差,脱炭素社会の実現,災害・気候リスクなど多面的課題に対して,都市計画を対象に学際的視点からAI技術に期待される役割を俯瞰的に解説する.特に都市計画における理想的な都市モデルとして着目されているコンパクトシティやスマートシティの課題を挙げ,新しい都市モデルとしてスマートシェアリングシティを紹介する.その上で都市社会システムが抱える課題と未来のAIの在り方を展望する.

キーワード:都市計画,人工知能,コンパクトシティ,スマートシティ

1. は じ め に

我が国の総人口は2008年に1億2,808万人でピークを迎え,永続的に減り続けている.国立社会保障・人口問題研究所(2023年)によると2050年には1億468万人と推計されており,これは1971年の日本の人口と同じレベルである.人口規模は同じであるが半世紀前の日本と大きく異なるのは高齢化の進行であり,2050年の65歳以上人口割合をみると,秋田県(49.9%)をはじめとして全国25道県で40%を超える(1)

人口減少に加えて超高齢化社会の到来は,我が国に様々な問題を引き起こし,その問題解決に向けた各種施策の実施が急務とされている.都市計画分野においては,人口増加期に無秩序に郊外に広がった市街地を,人口規模にあわせて賢く縮退する必要がある.それは少ない人口で広大な市街地を維持管理できなくなるからでもある.1990年代に環境にやさしい持続可能な都市として広まったコンパクトシティ政策は,我が国においては人口減少社会に対応する都市モデルとして期待されている.2025年3月時点でコンパクトシティ政策を実施している都市は全国で907にも上る.一方で,理想的な都市像とされながら,コンパクトシティの実現には多くの課題を抱えている.基本的に居住地の選択は自由である日本の制度の中で,どうやって集約エリアに都市機能や居住地を集めるのか.人口減少社会の中で発生する空き家や空き地,老朽化するインフラの維持管理はどうするのか.激甚化する都市災害への対応や,停滞する経済をどうやって活性化するのか.都市に関わる問題は山積している.

本稿では都市計画の視点から,人工知能(AI)の課題と期待される役割に言及し,持続可能な都市社会システムの構築について解説する.

2. ICTを活用したまちづくり

2010年代に入ると,世界各地で情報通信技術(ICT)を活用したまちづくりが注目を集めている.AIやIoTなどの先端技術を活用して,様々なサービスを提供し,人々の生活の質の向上に寄与している.このようなICT等の新技術を活用しつつ,全体最適化が図られる持続可能な都市または地区を「スマートシティ」と呼んでいる.


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