特集2-1 巨大ブラックホール撮像への挑戦 Toward the Direct Imaging of Super-massive Black Holes

pp400
本間希樹

天体撮像の解像度の限界に挑む
 銀河の中心には巨大ブラックホールが存在すると考えられるが,それが光さえ飲み込む「黒い穴」として撮影された例はまだない.ブラックホール存在の究極の証明を得るにはこの黒い穴の直接撮像が必須であり,現在巨大ブラックホールの撮像を可能にする電波干渉計網(Event Horizon Telescope)の構築が国際協力で進められている.本稿では,この分野の現状について紹介するとともに,この間筆者らが進めてきたスパースモデリングを用いた電波干渉計の新たな撮像手法について解説し,スパースモデリングがこの分野で与え得る影響について述べる.