もっと感動する暮らしを創り出す
エレクトロニクスは今後も人々の暮らしに感動を提供する.映像は更に高度化し,VRをはじめとする臨場感拡大技術が,超広帯域ネットワークでつながった人々の共感を加えて感性価値を高めていく.それらの背景にはこの数十年の記録・処理・伝送におけるビット単価の低減と,それにより消費価値が拡大されてきた流れがある.この先も技術革新が様々な制約を解放して新たな事業を創造し続ける.本稿ではエレクトロニクスによる暮らしへの影響の経緯から,今後の社会・文化・芸術・エンタテインメントへの貢献を考察する.
間もなく来るケーブルがなくなる日
ワイヤレス給電システムの開発に6年間従事した間に遭遇した興味深い現象と,今後有用となりそうなシステムの概要を紹介している.これらは,従来余り広く取り上げられなかった水中給電から研究を始めて得た,様々な方向へ展開できるヒントである.ワイヤレス給電は電力工学と通信工学の節点であるだけでなく,多彩な応用先に対応する広い分野との接点でもある.そのため電子情報通信技術者にとって尽きることのない挑戦の場を提供している.
誰にでも快適な生活を届けたい
徐々に社会に浸透しつつある生活支援ロボットとして,移動ロボット,パワーアシストロボット,コミュニケーションロボットなどを取り上げ,製品化事例と今後の展開などの紹介や分野ごとのエレクトロニクスに対する期待について述べる.人間生活環境で動作するロボットには,小形軽量モータや大容量バッテリーなど各分野に共通する期待もあるが,今後より高度なサービスを提供するためには,環境認識を支える外界センサやインタフェース技術の高度化,クラウド活用のための通信技術の高速化・最適化,システム全体としての効率化などにも期待したい.