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國弘和明 岡田健一
狙い撃ち! ミリ波のビームを思いのままに
第5世代移動通信システム(5G)では,広い信号帯域幅を確保できるミリ波帯を活用して,現行4Gに比べ10倍以上の10Gbit/sを超える高速通信の実現を目指している.ミリ波の欠点である電波の減衰や直進性を補って,安定した通信を実現するには,数百のアンテナ素子で構成されるフェーズドアレーアンテナを用いた高精度なビームフォーミングが有効である.5Gを広く社会に普及させるためには,これを小形・省電力・低コストに装置に実装する必要があり,集積回路技術が極めて重要になる.本稿では,5G向けミリ波ビームフォーミング集積回路技術の現状と今後の展望について述べる.