pp382
関屋大雄
真のコードレス社会の実現を目指して
世の中の多くのものが「無線化」される中,残された有線システムが電力の送配電である.その中で,「置くだけ充電」に代表されるように,無線電力伝送が様々な形で社会に浸透し始めている.通信の例を見ても明らかなように,無線化による機器のモビリティの獲得は,様々なアプリケーションを生むきっかけとなり,社会構造を変革させるほどのインパクトを与え得る.本稿では無線電力伝送について,その伝送方式及び現在検討されているアプリケーション例を幾つか紹介する.その上で無線電力伝送が真に社会に受け入れられ,定着するために必要と思われる課題を指摘する.本稿を通じて無線電力伝送が紡ぎ出す未来を少しでもイメージして頂ければ幸いである.