小特集 2-1 車椅子ライフログによる走行・操作評価手法の開発 ――ビッグデータ時代の安全性評価を目指して―― Driving and Maneuvering Evaluation Methods Using Wheelchair Lifelog toward the Safety Assessment in the Big Data Era

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硯川 潤

いつもどおりを, ずっと記録することで分かることがたくさんある
 近年,車椅子に加速度センサなどを設置し,実生活環境での長期ログから操作特性や使用環境を評価する試みが報告されている.しかし,電動車椅子のジョイスティック操作入力は,計測に電気的な改造が必要となるため,長期計測が難しかった.筆者はこれまでにジョイスティック先端に取り付けた加速度センサから精度良く操作角度を推定できる新たな車椅子ライフログシステムを提案・開発してきた.車体挙動に加えて操作入力を加味することで様々な走行特性の評価が可能になる.本稿では同システムの構成・特徴と長期ログの解釈でこれまでに得られた知見を紹介する.