業績賞贈呈

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Vol.103 No.7 (2020/7) 目次へ

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2019年度 第57回 業績賞贈呈(写真:敬称略)

 本会選奨規程第9条イ号(電子工学及び情報通信に関する新しい発明,理論,実験,手法などの基礎的研究で,その成果の学問分野への貢献が明確であるもの),ロ号(電子工学及び情報通信に関する新しい機器,又は方式の開発,改良,国際標準化で,その効果が顕著であり,近年その業績が明確になったもの),ハ号(電子工学及び情報通信並びに関連する分野において長年にわたる教育の質向上に資する教育施策の遂行,教育の実践(教育法,教材等の開発を含む),著述及びその普及を通じて,人材育成への貢献が明確になったもの)による業績に対し,下記の7件を選び贈呈した.

5G/Beyond5Gに向けた超知性ネットワークソフトウェア化の先駆的研究

受賞者 中尾彰宏

 将来の5G・IoTが本格普及する時代においては,通信を利用したアプリケーションやサービスの多様化が進むことは明らかであり,多様化するユースケースに柔軟に対応する通信基盤の実現が必須の課題となっている.この社会課題を解決するため,受賞者である中尾彰宏氏は,ネットワークのソフトウェア化に関わる研究開発に広く取り組んできている.ネットワークのソフトウェア化は通信と情報科学の学際的融合分野であり,我が国では若手研究者が圧倒的に不足していると同時に企業における国際競争力向上が必須の分野である.また,今後は,ソフトウェア化された通信機器の技術基準も必要であることから,より一層の研究開発の進展が求められるのみならず,産学官が連携した取組みが重要となっている.

 このような環境において,受賞者は,通信工学と情報科学の知見を生かし,様々なネットワークの機能を柔軟かつ多数独立に共存させる「ネットワーク仮想化技術」に関し,学術界に一貫して10年以上にわたり貢献してきた.特に,通信基盤を構成する帯域・計算・記憶資源など,ソフトウェアでプログラム可能な資源を,アクセス(無線・有線)・エッジ・コア・クラウドに至るまでエンドエンドでネットワークの機能・資源を独立の集合である“スライス”に分割し,実装された機能を互いに非干渉に実行可能とする「ネットワークスライシング技術」の研究開発を推進してきた.

 また,ネットワーク仮想化技術において,ソフトウェアによる集中制御を実現するSoftware Defined Networking(SDN)や,機能を仮想化マシン上に構築するNetwork Functions Virtualization(NFV)が重要な要素技術として認識される中,当初からSDNとNFVの融合に相当する概念や,データ転送処理を行う機構である「データプレーン」を仮想化して各データプレーン上で通信を一から創造することや複数データプレーンが共存することを可能とするDeeply Programmable Networking(DPN)の概念を世界に先駆けて提唱し,国内の研究開発をけん引してきた.具体的には,主要企業6社との6年にわたる省庁委託研究において,プロジェクトリーダとしてDPNの概念を実現する「仮想化ノード(VNode)」(1)の開発やテストベッドへの展開による実証に取り組んだ成果が大きい.その間,海外での通算20回以上の基調講演をはじめ,多数の招待講演,Best Paper AwardやBest Demonstration Award(2)の受賞などにより成果は世界的に知られ,受賞者が提唱,開発した技術の中には欧米に先行した技術も多い.

 5Gの商用実装に向けては,第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)のネットワーク委員会委員長として,有・無線エンドエンドネットワークスライシングの提唱・けん引を含め,5Gの国内商用サービス開始に向けて尽力してきた.更にこれらの研究活動と並行し,ITU-T,ETSI,3GPPにおける標準化活動にも積極的に貢献している.

 また,近年では,“考えるネットワーク”の構想の下,ソフトウェア化されたネットワークの運用にAI・機械学習を適用することにより,運用自動化やネットワーク資源の自律的最適配置など,新たなネットワークの価値の実現に向けて積極的な研究活動を展開しており,本分野をけん引する意欲も極めて高い.

 以上述べたように,受賞者は,先駆的かつ独創的な研究に加えて社会実装にも取り組み,その功績は顕著であり,本会業績賞にふさわしいものである.

文     献

(1) K. Yamada, Y. Kanada, K. Amemiya, A. Nakao, and Y. Saida, “VNode infrastructure enhancement-deeply programmable network virtualization,” Proc. APCC (Best Paper Award), pp.244-249, 2015.

(2) GENI Engineering Conference (GEC20), Best Demo Award, 2014.

(3) A. Nakao, L.L. Peterson, and A.C. Bavier, “A routing underlay for overlay networks,” ACM SIGCOMM, pp.11-18, 2003.

(4) A. Nakao, “Software-defined data plane enhancing SDN and NFV,” IEICE Trans. Commun., vol.E98-B, no.1, pp.12-19, Jan. 2015.

(5) A. Nakao, P. Du, Y. Kiriha, F. Granelli, A.A. Gebremariam, T. Taleb, and M. Bagaa, “End-to-end network slicing for 5G mobile networks,” IPSJ J. Inf. Process., vol.25, pp.153-163, 2017.

(6) A. Nakao and P. Du, “Toward in-network deep machine learning for identifying mobile applications and enabling application specific network slicing,” IEICE Trans. Commun. vol.E101-B, no.7, pp.1536-1543, July 2018.

区切

公開鍵暗号に対する汎用的な変換方式の先駆的研究

受賞者 藤﨑英一郎 受賞者 岡本龍明

 1976年にDiffieとHellmanによって概念が提唱された公開鍵暗号は,その後の情報セキュリティシステムを根本から変えるものであった.現在,インターネットのような大規模ネットワークで通信の秘密を守れるのも公開鍵暗号があって初めてなし得るものである.

 公開鍵暗号には様々な安全性のクラスが知られているが,中でも選択暗号文攻撃に対する識別不可能安全性(IND-CCA安全性)は,最も強い安全性のクラスであり,またBleichenbacherの(SSLに当時含まれていた)RSA PKCS#1暗号への選択暗号文攻撃やCanettiの汎用結合安全性理論を経て,実利用での公開鍵暗号が満たすべき適切な安全性との認識が既に確立している.公開鍵暗号がIND-CCA安全とは,図1のように攻撃者が,解読ターゲット暗号文以外のどんな暗号文も復号してもらえる(選択暗号文攻撃)環境であっても,解読ターゲット暗号文の平文のいかなる部分情報も得ることができないときを言う.

図1 IND-CCA安全性モデル

 本賞に関する受賞者らの業績は,公開鍵暗号に対する二つの汎用的な変換方式を発明したことである.

・方式1(1),(2)

 復号オラクルの助けが得られない攻撃者に対して,平文のいかなる部分情報をも漏らさないのであれば,その公開鍵暗号はIND-CPA安全であるという.選択暗号文攻撃ができないため,IND-CPA安全性はIND-CCA安全性より弱い安全性のクラスである.受賞者らは,文献(1)で任意のIND-CPA安全性な公開鍵暗号を僅かなコストでIND-CCA安全な公開鍵暗号に変換する方式を提案した.元の方式の平文の一部を乱数として使用するため,暗号化できる平文のサイズは少し小さくなるが,暗号文のサイズは元の方式と変わらない.暗号化のコストは元の方式とほぼ変わらず,一方,復号は元の方式の復号処理に加えて暗号化処理が1回必要である.方式1は2019年に国際暗号学会(International Association for Cryptologic Research)のPKC Test of Time Awardに選ばれるなど極めて高い評価を受けている.

・方式2(3),(4)

 復号オラクルの助けが得られない攻撃者に対して,暗号文が完全解読されないのであれば,その公開鍵暗号はOW-CPA安全であるという.これは暗号が暗号としての役目を果たす最低条件であるため,OW-CPA安全性は最も弱い安全性のクラスである.受賞者らは,任意のOW-CPA安全な公開鍵暗号をIND-CCA安全な公開鍵暗号に効率良く変換する方式を提案した(3).方式1と比べると,暗号文のサイズが平文のサイズ分大きくなる一方,暗号化,復号の処理の重さはほぼ変わらない.方式2はDiffie-Hellman鍵配送との組合せで2000年の日経BP技術賞を受賞している.また,この組合せはISO/IEC 18033で標準化され,更に欧州連合(EU)が制定した暗号規格NESSIE(EU暗号規格)の第一推奨暗号にも選ばれている(5).方式2はその汎用性の高さから極めて多数の学術論文に引用されているほか,現在進行中の米国技術標準局NISTの耐量子公開鍵暗号の標準化プロジェクトに提案された公開鍵暗号のほとんどが方式2,またはその派生方式を部品として組み込んでいる(6)

 以上のように,受賞者らは,任意の公開鍵暗号を最も強いクラスの公開鍵暗号に効率良く変換する二つの方式を発明し,その後の公開鍵暗号の理論,標準化に多大な影響を与えた.よって,受賞者らの研究成果は,業績賞にふさわしいものである.

文     献

(1) E. Fujisaki and T. Okamoto, “How to enhance the security of public-key encryption at minimum cost,” PKC ’99, Lect. Notes Comput. Sci., vol.1560, pp.53-68, Springer, 1999.

(2) E. Fujisaki and T. Okamoto, “How to enhance the security of public-key encryption at minimum cost,” IEICE Trans. Fundamentals, vol.E83-A, no.1, pp.24-32, Jan. 2000.

(3) E. Fujisaki and T. Okamoto, “Secure integration of asymmetric and symmetric encryption schemes,” CRYPTO ’99, Lect. Notes Comput. Sci., vol.1666, pp.537-554, Springer, 1999.

(4) E. Fujisaki and T. Okamoto, “Secure integration of asymmetric and symmetric encryption schemes,” J. Cryptol., vol.26, no.1, pp.80-101, 2013.

(5) NESSIE Project announces final selection of crypto algorithms,
https://www.cosic.esat.kuleuven.be/nessie/deliverables/press_release_feb27.pdf

(6) NIST, “Post-quantum cryptography standardization,”
https://csrc.nist.gov/Projects/post-quantum-cryptography/Post-Quantum-Cryptography-Standardization

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収音用適応ビームフォーミングに関する先駆的研究

受賞者 宝珠山 治 受賞者 金田 豊

 現在,スマートスピーカを中心に急拡大している音声入力機能は,コンピュータと人間とのインタフェースを確実に変革しつつある.その際,口元にマイクロホンを装着する煩わしさのないハンズフリー収音においては,周囲雑音と残響を除去することが求められる.マイクロホンアレー技術は複数のマイクロホン出力に含まれる時空間情報を用いて,音声等の目的音を抽出可能にする技術として期待され,1980年代前半,100個を超えるマイクロホンを用いたメートルオーダの巨大な超指向性アレーが,ベル研ほかで試作されていた(1).しかしその装置サイズ,コスト共に膨大であり,民生用への搭載は困難であった.当時,発展段階にあった適応ビームフォーミングは,レーダ等の無線アンテナで実用化が始まりつつあったが,無線の狭帯域向けであり,それを広帯域である音声信号に適用する方法は分かっていなかった.

 受賞者らの研究は,広帯域音声信号を対象としたマイクロホンアレーに適応ビームフォーミング技術を導入したブレークスルーである.受賞者(金田)は,巨大なマイクロホンアレー装置の検討がされる中,適応ビームフォーミングの可能性を世界で最も早く実証した(2)(4).この研究では,適応アルゴリズムに新たな広帯域拘束条件を導入することで,僅か数個のマイクロホンを10cm以下に配置するだけで,10dBを超える雑音抑圧性能が得られることを示した(図1).また,受賞者(宝珠山)によるロバスト化技術は,マイクロホンアレーの実用化上避けられない感度誤差や,反射音環境で目的音が著しく劣化する,という実環境における致命的な問題を2段階の適応信号処理により解決した(5),(6).このロバスト化技術により,適応ビームフォーミングは,様々な環境でも安定した性能が得られることとなった(図2).そして,10cm程度に配置した小規模なマイクロホンアレーを用いた実時間処理装置を試作し,それを高騒音下で撮影したビデオを,国際学会等においてデモンストレーションも行っている.DSPチップが未成熟な当時の実時間動作は大きなインパクトを与え,その効果の高さから多くの追従者を生んだ.このように受賞者らは,世界に先駆けて,適応ビームフォーミングの可能性の実証と,それに引き続いてロバスト化技術の提案を行い,適応ビームフォーミングの実用化に大きな寄与をなした.

図1 各種マイクの指向性パターン

図2 信号源方向に対する収束後の正規化出力特性

 また,現在製品化されているスマートスピーカにおいて,音声認識率を高めるために,目的音の方向推定と組み合わせた,受賞者らが開発した適応ビームフォーミングの技術が搭載されたものも多数ある.スマートスピーカ最大手のAmazon,Alexaの開発セット説明書においても,遠隔からの音声認識のために適応ビームフォーミングが強く推奨されている.近年,独立成分分析(ICA)を利用したブラインド音源分離手法(平成28年度本会業績賞(7))やニューラルネットを利用した選択収音技術など,様々な高品質収音方法が提案されているが,これらの技術も収音動作の本質は適応ビームフォーミングと同等なものであることが多い.このように,適応ビームフォーミング以外の収音方法においても,受賞者らの開発した技術の一部が組み込まれていたり,開発の参照として利用されている.更に,受賞者らが執筆した論文や書籍は,適応ビームフォーミング研究の普及・発展に大きく貢献している(2)(6),(8),(9)

 以上述べたように,受賞者らの功績は極めて顕著であり,本会業績賞にふさわしいものである.

文     献

(1) J.L. Flanagan, J.D. Johnston, R. Zahn, and G.W. Elko, “Computer-steered microphone arrays for sound transduction in large rooms,” J. Acoust. Soc. Am., vol.78, no.5, pp.1508-1518, July 1985.

(2) Y. Kaneda and J. Ohga, “Adaptive microphone-array system for noise reduction,” IEEE Trans. Acoust. Speech Signal Process., vol.ASSP-34, no.6, pp.1391-1400, Dec. 1986.

(3) 金田 豊,“適応形雑音抑圧マイクロホンアレー(AMNOR)の指向特性,”音響誌,vol.44, no.1, pp.23-30, Jan. 1988.

(4) 金田 豊,“アダプティブマイクロホンアレー,”信学論(B-Ⅱ), vol.J75-B-Ⅱ, no.11, pp.742-748, Nov. 1992.

(5) 宝珠山 治,杉山昭彦,“ブロッキング行列にリーク適応フィルタを用いたロバスト一般化サイドローブキャンセラ,”信学論(A), vol.J79-A, no.9, pp.1516-1524, Sept. 1996.

(6) O. Hoshuyama, A. Sugiyama, and A. Hirano, “A robust adaptive beamformer for microphone arrays with a blocking matrix using constrained adaptive filters,” IEEE Trans. Signal Process., vol.47, no.10, pp.2677-2684, Oct. 1999.

(7) 牧野昭二,猿渡 洋,澤田 宏,“業績賞 音響信号のブラインド音源分離に関する先駆的研究,”信学誌,vol.100, no.7, pp.555-556, July 2017.

(8) O. Hoshuyama and A. Sugiyama, “Robust adaptive beamforming,” in Microphone Arrays, M. Brandstein and D. Ward, eds., Springer, 2001.

(9) 大賀寿郎,山崎芳男,金田 豊,音響システムとディジタル処理,電子情報通信学会,東京,1995.

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高精度な顔認証技術の開発と実用化

受賞者 今岡 仁 受賞者 森下雄介 受賞者 早坂昭裕

 2001年米国同時多発テロを契機とした安全・安心に対する関心の急速な高まりとともに,顔認証技術が脚光を浴びている.顔認証は,人間が日常的に行う自然な本人確認手段であるが,照明の違いや顔の経年変化により,機械による高精度な顔認証の実現は非常に困難を極めた.この問題に対して,受賞者らは2002年から研究を開始し,大規模データを継続的に収集するとともに,顔認証のコア技術となる顔検出,顔特徴点検出,顔照合などの研究開発(図1)を精力的に進めた.中でも超多クラス問題に対する計量学習手法を世界に先駆けて開発したことで(1),認証誤り率を大幅に低減し,これが技術ブレークスルーとなった.

図1 顔認証コア技術

 受賞者らは技術の有効性を第三者機関で評価するために,2009年から世界的な権威を有する米国国立標準技術研究所が主催するベンチマークに参加した.2010年に参加したベンチマークでは,世界有力トップベンダが参加する中,2位の参加組織と比べて1/10以下という圧倒的に低い認証誤り率でトップを獲得し,NECの顔認証製品が世界に展開されるきっかけとなった.更に,2019年9月に公開された最新のベンチマーク結果(2)では,米国や中国,ロシアの競合ベンダなど49組織(48企業,1研究機関)が参加する中,認証精度と検索速度において5回目のトップを獲得した.160万人登録時において2位の企業の1/3である0.4%の認証誤り率,更に検索速度でも2.3億件/秒を実現した(図2).2009年以降,約10年にわたるベンチマークでの認証精度トップの獲得に加え,加齢による経年変化や多人種対応など,実用面でも高い評価を得ている.

図2 最新評価における認証誤り率と速度の比較

 このような技術とノウハウを結集した顔認証製品「NeoFace」は,目視確認の負担と誤りを減らし,短時間で高精度に認証できることからその有効性が認められ,出入国管理システム,モバイル機器不正利用防止等,45か国以上で採用され,本人認証の様相を一変させた.本製品は米国のJFK国際空港における入国審査用顔認証システムに採用され,安全な空港運営及び手続き迅速化,サービス向上に必要不可欠な技術となっている(図3).インドの国民IDシステムでは,顔認証を含めたマルチモーダルシステムとして13億人に利用され,社会インフラになっている.更に,イギリス,オーストラリア,ブラジルなどの政府主要警備システムや,世界最大の航空連合であるスターアライアンスに採用されるなど,世界中のパブリックセーフティシステムのインフラとして利用されている.国内では,10万人規模のコンサートにおけるチケット不正売買防止システムや,チェックインから搭乗まで顔認証で通過できる成田空港におけるOne IDシステムへの採用や,東京2020オリンピック・パラリンピックの関係者向けセキュリティゲートへの納入(図4)など,幅広い用途で利用されている(注1)

図3 米国JFK空港顔認証システム

図4 東京2020オリンピック・パラリンピックで納入する顔認証システム

 顔認証の精度が大幅に向上したことで,今後,顔認証決済など,より厳密な本人確認が求められる場面での利用も検討されている.顔認証は,IDやパスワードが不要で手ぶらで認証できる利便性と社会の安全・安心・公平・効率を実現するツールとして更に普及が進むと見込まれている.

 これらの実績が認められ,生体認証のトップカンファレンスであるIEEE International Joint Conference on Biometrics 2014で基調講演(3)を務めるとともに,第3回技術経営・イノベーション賞文部科学大臣賞をはじめ,数々の賞を受賞している.また製品も2016年フロスト&サリバン ベストプラクティス賞,2017年CEATEC Award経済産業大臣賞,2018年度日刊工業新聞社十大新製品賞を獲得している.このような事実から,本業績は学術・実用両面で極めて顕著であり,本会業績賞にふさわしいと考える.

文     献

(1) 今岡 仁,“リアルタイム監視を実現する動画顔認証技術,”NEC技報,vol.69, no.1, pp.34-37, Sept. 2016.

(2) P. Grother, M. Ngan, and K. Hanaoka, “Face recognition vendor test (FRVT),” NIST Interagency Report 8271 (2019/09/11), 2019.

(3) H. Imaoka, “Face recognition research: beyond the limit of accuracy,” International Joint Conference on Biometrics, Keynote speaker, 2014.


(注1) NECは東京2020ゴールドパートナー(パブリックセーフティ先進製品&ネットワーク製品&業務用無線システム).

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新4K8K衛星放送の方式開発と標準化

受賞者 鈴木陽一 受賞者 田中祥次 受賞者 高田政幸

 2000年12月にBSデジタル放送が開始され,日本全国の各家庭でハイビジョン番組が視聴できるようになった.従来のBSデジタル放送は,52Mbit/sの伝送容量を持つ伝送方式ISDB-S(Integrated Services Digital Broadcasting-Satellite)を用いて,一つのチャネルでハイビジョン番組(2K)を二つ送ることができる.その後,より高精細な4K・8K放送に対する市場ニーズが高まってきたが,4K,8Kはそれぞれ4倍,16倍の解像度があり4Kで25~30Mbit/s,8Kで80~100Mbit/sの伝送容量が必要とされた.帯域幅などの条件を従来方式から変えず,8Kなら1番組,4Kなら3番組放送するためには,従来の約2倍の伝送容量(100Mbit/s)を確保できる伝送方式を開発する必要があった.

 受賞者らは,衛星放送の占有帯域幅やサービス時間率等の要求条件を満たしつつ,4K及び8K衛星放送の所要の伝送容量を確保するために,以下の三つの要素技術を適用した新4K8K衛星放送の伝送方式ISDB-S3を開発した(1)(3)

LDPC(低密度パリティ検査)符号の独自設計:

 伝送フレームを構成するスロット長などの伝送システムからの要求条件や誤り訂正性能を考慮して,符号長4万4,880ビットのLDPC符号を独自に設計し,ビット誤り率10-11までエラーフロアのない誤り訂正特性を確保した.

変調波の信号点配置の最適化:

 16APSK(16値振幅位相変調)の同心円上に配置される信号点配置の半径比について,誤り訂正後のビット誤り率が最良となる半径比を設計した.上記LDPC符号(符号化率7/9)と組み合わせた場合の所要C/Nは10.8dBであり,シャノン限界(9.2dB)との差は僅か1.6dBと通信路容量の理論限界値に迫る性能を有する(図1).

図1 所要C/N対情報ビットレート

シンボルレートの高速化:

 帯域制限波形成形フィルタのロールオフ率を0.03という極限まで小さい値を採用することで,シンボルレートを従来の28.86Mbaudから33.7561Mbaudまで高速化した(図2).

図2 ISDB-S3変調信号波形

 上記①~③を組み合わせることで,従来のBS放送と同じ占有帯域幅34.5MHzを満たしつつ,99.9552Mbit/sの伝送容量を確保した.従来方式ISDB-Sと本方式ISDB-S3との伝送方式及び特徴の比較を表1に示す.本方式は従来方式に対して同じ帯域幅で伝送容量を約2倍にしつつ,最悪月サービス時間率をほぼ同等とした.

表1 従来技術(ISDB-S)と本技術(ISDB-S3)との伝送方式及び特徴の比較

 受賞者らは国内外の標準規格化及び実用化においても主導的役割を果たした.ISDB-S3は2014年に日本の技術基準(平成23年総務省令第87号(平成26年一部改正))に反映されるとともに国内民間標準規格(ARIB STD-B44 2.0版)として規定され(4),また2016年に国際標準規格(ITU-R勧告BO. 2098)としても採用された.更に,2016年には放送事業者の運用規定を定めた技術資料(ARIB TR-B39 1.0版)が策定された(5)

 これらの標準規格化を経て2016年8月にISDB-S3伝送方式による4K・8K試験放送が開始され,2018年12月に本放送として新4K8K衛星放送が開始された.

 以上のように,受賞者らは新4K8K衛星放送の実現において,伝送方式の開発,標準化及び実用化の主導的役割を果たすとともに,8K放送事業化への道を開いた.よって,受賞者らの業績は極めて顕著であり,本会業績賞にふさわしいものである.

文     献

(1) 鈴木陽一,橋本明記,小島政明,筋誡 久,田中祥次,木村武史,正源和義,横川峰志,菅 真紀子,“高度BSデジタル放送用LDPC符号の設計,”映情学誌,vol.62, no.12, pp.1997-2004, Dec. 2008.

(2) Y. Suzuki, M. Kojima, A. Hashimoto, N. Nakamura, S. Tanaka, T. Saito, and N. Okumura, “Transmission system for UHDTV satellite broadcasting,” 信学技報,SAT2014-39, pp.23-28, Oct. 2014.

(3) Y. Suzuki, K. Tsuchida, Y. Matsusaki, A. Hashimoto, S. Tanaka, T. Ikeda, and N. Okumura, “Performance evaluation of transmission system for 8K Super Hi-Vision satellite broadcasting,” IEEE Globecom2014, SAC-18-SSC, pp.2928-2933, Dec. 2014.

(4) 田中祥次,鈴木陽一,奥村直司,“超高精細度テレビジョン衛星放送の標準化と今後の展開,”2015信学総大,no.BI-1-5, March 2015.

(5) 高田政幸,“4K・8K衛星放送の実用化に向けたテストセンター活動(その2),”映情学誌,vol.72, no.5, pp.715~722, Sept. 2018.

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第5世代移動通信システムの実用化

受賞者 中村武宏 受賞者 奥村幸彦 受賞者 今井哲朗

 第5世代移動通信システム(5G)の実用化に関する受賞者らの取組みのスタートは,2010年に遡る.当時は現行の第4世代移動通信システムが国内で導入され始めた段階であったが,受賞者らは将来の移動通信トラヒックの増大に対応するための次世代移動通信方式の確立が必要であることを早くも見いだし,超高速・大容量,超低遅延,多数端末同時接続等の特徴を持つ5Gの実用化に向け,新たな技術・方式の検討を早期に開始するとともに,その後9年間にわたり研究開発からサービス応用に至る幅広い取組みによる実用化を推進した.

 5Gの実用化には,周波数がひっ迫している既存システムの使用周波数に対して,より高い周波数を使用可能なシステムの実現が不可欠であり,その性能の大幅な向上に当たっては,同時に経済性や信頼性も大きく進展させる必要がある.そこで,既存システムが使用しているUHF帯及び低SHF帯に加えて新たに高SHF帯(6~30GHz未満)を開拓し,既存周波数帯とともに組合せ導入可能なシステムの実現に向け,高SHF帯を必要なエリアに効率良くかつ低コストで導入可能な新たな無線アクセスシステムのアーキテクチャを発案するとともに,高SHF帯の電波伝搬・無線伝送・システム化に関する新たな方式・技術を実機の試作開発と実験検証を通して確立した.中でも,超多素子のアンテナで構成される高SHF帯Massive MIMOシステムとそのビーム制御に関する技術を確立した結果,28GHz帯の超広帯域かつ最大16ビームの空間多重伝送により,世界で初めて27Gbit/sに達する超高速無線データ伝送の屋外移動環境における通信実験に成功するとともに,新幹線等の高速鉄道を想定した時速約300kmの超高速移動環境での模擬実験において,28GHz帯で1Gbit/sを超える超高速無線通信と基地局間ビームハンドオーバに世界に先駆けて成功した.

 また,従来明らかにされていなかった高SHF帯の移動電波伝搬について,新たな電波伝搬理論の基礎的モデルから,より実践的な推定法に至る技術の確立に向けた取組みを行った結果,多様かつダイナミックな移動環境における高SHF帯の電波伝搬特性を解析し効率的な基地局設置を可能とする360度複数到来波対応のリアルタイム電波ビジュアライザを世界で初めて実現した.

 更に,5Gを応用した社会的課題の解決や地方創生などに向け,総務省5G総合実証試験に代表実施機関として参画し,全国の自治体,企業,大学などのパートナと協力して,5Gを活用した様々なユースケースに関する実証試験を行うとともに,新たな市場の開拓に向けて多様な業界のパートナとシステムトライアルを実施し,5Gシステムの有効性の検証と5Gを応用する新サービスの創出に向けた取組みを推進した.

 以上の5Gの実用化に向けた先進的な取組みの結果,2019年4月に国内の5G商用システム用周波数帯として高SHF帯の28GHz帯が低SHF帯の二つの新周波数帯とともに各移動通信事業者へ割り当てられ,同年9月に商用基地局・移動端末を用いた5Gプレサービス,2020年3月に商用サービスを開始するに至った.本実用化は,移動通信システムによる新たな価値を世の中に提供するものであり,これを実現するための礎となる5Gの新たな技術・方式を確立した受賞者らの功績は極めて顕著であり,本会業績賞にふさわしいものである.

図1 5G周波数戦略とファントムセルコンセプト

図2 20Gbit/s超え超高速データ通信実験

図3 360度対応5G電波ビジュアライザ

図4 5G活用救急搬送高度化実証試験

文     献

(1) N. Tran, T. Imai, and Y. Okumura, “Model for estimating effects of human body shadowing in high frequency bands,” IEICE Trans. Commun., vol.E98-B, no.5, pp.773-782, May 2015.

(2) T. Nakamura, A. Benjebbour, Y. Kishiyama, S. Suyama, and T. Imai, “5G radio access: Requirements, concept and experimental trials,” IEICE Trans. Commun., vol.E98-B, no.8, pp.1397-1406, Aug. 2015.

(3) T. Obara, S. Suyama, J. Shen, and Y. Okumura, “Joint processing of analog fixed beamforming and CSI-based precoding for super high bit rate massive MIMO transmission using higher frequency bands,” IEICE Trans. Commun., vol.E98-B, no.8, pp.1474-1481, Aug. 2015.

(4) K. Haneda, L. Tian, Y. Zheng, H. Asplund, J. Li, Y. Wang, D. Steer, C. Li, T. Balercia, S. Lee, Y. Kim, A. Ghosh, T. Thomas, T. Nakamura, Y. Kakishima, T. Imai, H. Papadopoulas, T.S. Rappaport, G.R. MacCartney Jr., M.K. Samimi, S. Sun, O. Koymen, S. Hur, J. Park, C. Zhang, E. Mellios, A.F. Molisch, S.S. Ghassamzadah, and A. Ghosh, “VTC2016-spring best paper award for 5G 3GPP-like channel models for outdoor urban microcellular and macrocellular environments,” IEEE VTS, May 2016.

(5) T. Obara, Y. Inoue, Y. Aoki, S. Suyama, J. Lee, and Y. Okumura, “PIMRC2016 Best paper award for experiment of 28GHz band 5G super wideband transmission using beamforming and beam tracking in high mobility environment,” IEEE ComSoc, Sept. 2016.

(6) T. Obara, T. Okuyama, Y. Inoue, Y. Aoki, S. Suyama, J. Lee, and Y. Okumura, “Experimental trial of 5G super wideband wireless systems using massive MIMO beamforming and beam tracking control in 28GHz band,” IEICE Trans. Commun., vol.E100-B, no.8, pp.1256-1268, Aug. 2017.

(7) Y. Okumura, S. Suyama, J. Mashino, and K. Muraoka, “Recent activities of 5G experimental trials on massive MIMO technologies and 5G system trials toward new services creation,” IEICE Trans. Commun., vol.E102-B, no.8, pp.1352-1362, Aug. 2019.

(8) 酒井 学,中川兼治,井浦裕貴,岩山直文,岡崎彰浩,野中信秀,須山 聡,増野 淳,岡村 敦,奥村幸彦,“5Gにおける高SHF帯・広帯域Massive MIMOシステムを用いた実験室環境16ストリーム空間多重伝送実験,”信学論(B), vol.J102-B, no.8, pp.564-573, Aug. 2019.

(9) ベンジャブール アナス,岸山祥久,中村武宏,“多様な要求を満たしながら伝送効率極限まで高める5G無線アクセス技術,”信学誌,vol.98, no.5, pp.395-402, May 2015.

(10) 奥村幸彦[取材協力],“ニュース解説:時速300kmの超高速移動環境で5G無線通信実験に成功――超高速データ伝送・通信中ハンドオーバ・4K映像ライブ中継も――,”信学誌,vol.101, no.9, pp.936-937, Sept. 2018.

区切

国際的に通用する工学教育の質保証及び認定システム

受賞者 篠田庄司

 受賞者は,本会が電気学会等の主要学協会とともに正会員となる「日本技術者教育認定機構(JABEE)」(1999年11月19日発足,2009年4月に一般社団法人として設立.なお,技術者教育とは,研究者を含む技術者を育成する基礎教育)の運営委員会の委員として本会を代表して秋山稔氏が関わるのを機に,同氏を補佐し,本会内にJABEE対応委員会(注1)(2000年5月発足時:図1)を組織し,かつJABEEの教育プログラムの認定審査のためのシステムの設計と具体的な審査と認定作業に向けた複数の委員会に本会を代表して中心的に関わった.

図1 JABEE対応委員会の構成(2000年5月発足)

 受賞者は,高等教育機関における学士号授与レベル工学教育の実質的同等性を相互に認め合う国際協定であるワシントン協定(WA)(図2(a))の中核である米国の認定機関(ABET)の「工学基準(Engineering Criteria 2000,略称EC2000)」〈ABET内の工学認定委員会(EAC)が1996年に改正し,試行を経て,2000年に全米の継続申請と新規申請の全ての工学教育プログラムに義務付けた新基準:図2(b)〉を分析し,その根底に流れる‘教えられること重視’から‘学んだこと重視’への発想の転換とそれによるEC2000の設計の思考を,上記委員会で知識共有し,他の分野別に先駆けて,本会が電気学会とともに関わる電気・電子情報通信及びその関連の分野別基準(案)〔現在の電子情報通信・コンピュータ及び関連工学分野と電気・電子及び関連工学分野の個別基準の対につながる〕の設計を主導し,それをJABEEの認定システムの設計に反映した.

図2 ワシントン協定と工学基準EC2000

 JABEEは2001年6月にWAに暫定加盟,2005年6月に正式加盟が認められた.しかし,JABEE認定の工学教育プログラムのカリキュラムにおけるエンジニアリングデザイン教育の質を,WA加盟機関が認定するプログラムのそれと実質的に同等になるための改善への対応が求められた.

 受賞者は,それへの対応を含め,WA加盟の米国,カナダ,英国などの高等教育機関や欧州高等教育圏のドイツ,オランダ,ベルギーなどの高等教育機関(大学院を含む)の工学教育でのエンジニアリングデザイン教育(1)の状況や,学習成果のアセスメント・評価の方法やルーブリックの利用(2)などを,調査・分析・考察し,本会の会誌記事等の執筆(1)(6)や講演(7)などを通じて,本会会員を中心とする工学教育を含む高等教育関係者への意識付けを行い,更に,JABEEと本会の活動について,海外におけるIEEE工学認定ワークショップでの依頼講演(8)や国際会議のプレナリー・セッションでの基調講演(9)なども行った.

 受賞者の著述はJABEEや他学協会・他者に多数引用されており,その影響は幅広い.例えば,本会会誌記事(3)は3件の文献(10)(12)で引用され,本会会誌記事(4)は3件の文献(13)(15)で引用されている.

 以上のとおり,受賞者は,20年以上にわたり国際的に通用する工学教育の質保証と認定システムを我が国に導入・定着させるために精力的に活動し,電子情報通信と電気電子を中心とする幅広い工学分野の高等教育関係者に多大な影響を与え,文部科学省やJABEEを中心とする教育関連機関等への広い普及に貢献されている.受賞者は現在も本会アクレディテーション委員会顧問を務め,後進の指導にあたっている.また,JABEEには,6年務めた理事に引き続き,現在は監事として携わっている.

 受賞者の教育への貢献は抜きん出ており,本会業績賞にふさわしいものである.

文     献

(1) 篠田庄司,“ABETの認定制度との比較で,JABEEの認定制度の理解を深める,”信学誌,vol.90, no.10, pp.908-922, Oct. 2007.

(2) 篠田庄司,“目標学習成果がどの程度まで身に付けられているかのアセスメント・評価法の必要性と設計,”信学誌,vol.94, no.2, pp.114-129, Feb. 2011.

(3) 篠田庄司,“大学における技術者教育と改革の方向,”信学誌,vol.84, no.1, pp.57-67, Jan. 2001.

(4) 牧野光則,篠田庄司,“JABEEに認定申請するためにはどうしたらよいのか,”信学誌,vol.85, no.12, pp.877-895, Dec. 2002.

(5) 篠田庄司,“JABEEにおける最新の動き―いま何が問題となっているか?―,”信学誌,vol.87, no.12, pp.1077-1094, Dec. 2004.

(6) 篠田庄司,“新時代の工学教育の流れとその強化策,”応用数理,vol.23, no.2, pp.31-34, June 2013.

(7) 篠田庄司,“各国ならびに日本のエンジニアリングデザイン教育の現状と課題,”エンジニアリングデザインに関するJABEE国際シンポジウム,Dec. 2004,
https://www.ieice.org/jpn/jabee/20041205_EngineeringDesign11.pdf

(8) S. Shinoda, “An overview of existing and developing accreditation systems in Japan,” IEEE Engineering Accreditation Workshop, Bangkok, Thailand, Nov. 2004,
https://www.ieice.org/jpn/jabee/200411_Shinoda_IEEE_Eng_Educationa_%20Accreditation_Workshop.pdf

(9) S. Shinoda, “New waves of engineering education and IEA’s graduate attributes,” International Technical Conference on Circuits/Systems, Computers and Communications 〔ITC-CSCC〕 2013 (28th annual conference), Plenary Talk, Yeosu, Korea, June 2013.

(10) 水井 潔,“JABEE認定試行の一事例と今後の動向,”設計工学,vol.38, no.6, pp.306-309, June 2003.

(11) 筧 宗徳,山田哲男,高橋道哉,渡辺一衛,“e-ラーニングによる「生産システム設計」に関する授業内容の開発,”電学論(C),vol.125, no.4, pp.653-659, April 2005.

(12) 中山 実,高橋英明,日下部 治,太田口和久,水谷惟恭,“工学系学部学生の「人間力」に関する調査,”工学教育,vol.53, no.4, pp.46-51, July 2005.

(13) 石原 学,“デザイン教育へのものづくり教育の導入例:力覚装置の開発を例として,”電学FIE研資,vol.2011, no.1-19, pp.37-41, March 2011.

(14) 石原 学,今成一雄,千田正勝,小林幸夫,“エンジニアリングデザイン教育とものづくり教育―力覚装置の制作を課題として―,”信学技報,ET2011-24, pp.1-6, July 2011.

(15) 中山 実,笛木 学,関 信仁,上原利数,松本健司,“チームによるシステム開発に関する学習実践の一検討,”信学技報,ET2011-87, pp.63-68, Dec. 2011.


(注1) 2002年に認定企画実施委員会に,2004年に現在のアクレディテーション委員会に名称変更.

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