小特集 5G/Beyond 5Gを実現する技術 ──フロントエンドデバイスから仮想化まで──   【基地局・コアネットワーク】 8. 仮想化ネットワークの現状と今後の展望に関して Vision of Network Virtualization

小特集 5G/Beyond 5Gを実現する技術
──フロントエンドデバイスから仮想化まで──
 
【基地局・コアネットワーク】
8. 仮想化ネットワークの現状と今後の展望に関して
Vision of Network Virtualization

p.757
中里 仁 朽津光広 板垣 毅 南里将彦

通信事業者における仮想化ネットワークの将来について
 昨今,世界各国にて第5世代セルラネットワーク(5G)のサービスが開始されている.Beyond 5Gの実現に向けて無線アクセスネットワーク(RAN : Radio Access Network)からコアネットワークまでの完全仮想化の流れが加速している.本稿では,仮想化ネットワークの優位性や5Gシステムにおける取組みと実装,オープン化の動向とBeyond 5Gへ向けた展望について説明する.

小特集 マイクロ波・ミリ波を用いた生体計測の最新動向   3. 擬似逆正接復調によるマイクロ波心拍検出法 Microwave Heartbeat Detection Using Quasi Arctangent Demodulation

小特集 マイクロ波・ミリ波を用いた生体計測の最新動向
 
3. 擬似逆正接復調によるマイクロ波心拍検出法
Microwave Heartbeat Detection Using Quasi Arctangent Demodulation

p.489
本間尚樹 村田健太郎 小林宏一郎 岩井守生 佐藤 敦

低マイクロ波帯に適した心拍検出法
 本稿では,低マイクロ波帯におけるバイタルサイン計測に適した擬似逆正接復調法について解説する.擬似逆正接復調法は,体表面変位幅が波長に比べて微小であっても,高精度なバイタルサインの検出を可能とする.特に,呼吸高調波を抑圧することで心拍成分への干渉を回避できるため,心拍数の検出精度を高められる.屋内環境におけるMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)レーダを用いた実験結果から,複数人心拍数を同時に検出できることを明らかにする.

小特集 マイクロ波・ミリ波を用いた生体計測の最新動向   2. 複数局協調型MIMOレーダを用いた多人数生体位置の計測法 A Measurement Method for Multiple Human Body Locations Using Cooperative MIMO Radar

小特集 マイクロ波・ミリ波を用いた生体計測の最新動向
 
2. 複数局協調型MIMOレーダを用いた多人数生体位置の計測法
A Measurement Method for Multiple Human Body Locations Using Cooperative MIMO Radar

p.483
白木信之 本間尚樹 村田健太郎 中山武司 飯塚翔一

高齢者見守りシステムのためのマイクロ波生体センシング
 高齢者見守りシステムとしてマイクロ波を用いた生体センシングの需要が高まっている.本稿では,複数局協調型MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)レーダを用いた多人数生体位置の計測法について説明する.測定範囲内の人数が増加するに伴い,アンテナから遠方の対象は近い対象にブロッキングされて死角となる.そこで,複数の送受信局を用いることで対象を複数方向から観測することができ,後方対象のブロッキングを解消し,位置推定精度の向上が期待できる.本稿では,複数局の協調法について説明し,実験により1~8名の場合の位置推定精度の評価結果を示す.

小特集 マイクロ波・ミリ波を用いた生体計測の最新動向   1. ミリ波による生体信号計測センサの開発動向 ──日常生活の中でさりげなく呼吸・心拍・血圧を同時計測── Trend of Millimeter-wave Sensor Based Vital-sign Sensing Technologies

小特集 マイクロ波・ミリ波を用いた生体計測の最新動向
 
1. ミリ波による生体信号計測センサの開発動向
──日常生活の中でさりげなく呼吸・心拍・血圧を同時計測──
Trend of Millimeter-wave Sensor Based Vital-sign Sensing Technologies

p.477
梶原昭博

ますます身近になる最新ミリ波センシング技術を紹介
 超高齢化社会を迎え,日頃から自身や家族の心拍や血圧などの生体信号を測定し,体調を把握することが望まれる.一般に測定機器の装着や操作は少なからず負担を強いるもので,特に忙しい人や高齢者には時間的拘束や測定にストレスを感じる人も少なくない.そこで日常生活を拘束することなく,日々の生体信号をさりげなく測定する技術の必要性が指摘されている.本稿では,ミリ波センサが有する高周波と広帯域性,低プライバシー侵害性等に着目して心拍変動や連続血圧などの生体信号をストレスフリーで測定する技術や応用例を紹介する.

特集 深層学習は情報・システムの研究をどう変えたか  第6部 今後の展開   17.【社会・工学・科学全般】深層学習が与える様々なインパクト Various Impacts of Deep Learning

特集 深層学習は情報・システムの研究をどう変えたか
 第6部 今後の展開
 
17.【社会・工学・科学全般】深層学習が与える様々なインパクト
Various Impacts of Deep Learning

p.446
丸山 宏

深層学習は科学や社会をどのように変えていくか?
 ディジタル計算に基づく情報技術は総体として,過去70年にわたって社会に大きなインパクトを与えてきた.情報技術約70年の歴史の中で,多くの革新的技術が開発されてきたが,深層学習ほど社会の多面において変化をもたらしているものはないだろう.本稿では特に,科学と社会に対する含意について議論する.

特集 深層学習は情報・システムの研究をどう変えたか  第5部 データ分析分野   14.【推薦】推薦システムへの深層学習の適用 Use Cases of Deep Learning in Recommender Systems

特集 深層学習は情報・システムの研究をどう変えたか
 第5部 データ分析分野
 
14.【推薦】推薦システムへの深層学習の適用
Use Cases of Deep Learning in Recommender Systems

p.430
神嶌敏弘

深層学習の推薦アルゴリズムでの利用とその有効性について
 推薦システムにおける嗜好予測には各種の機械学習手法が次々と適用されてきたが,深層学習も例外ではない.しかしながら,近年の検証実験では,深層学習による予測精度の向上を支持する結果は得られなかった.そこで,少なくとも既存手法と同程度の性能をこの検証実験で示したNeuMF とMult-VAE を取り上げ,深層学習でも予測精度が向上しない理由についても考察する.その後,推薦結果の説明や提示などにといった推薦の周辺部分に,深層学習を用いた画像・自然言語処理技術が活用されている例を紹介する.

特集 深層学習は情報・システムの研究をどう変えたか  第4部 融合分野   13.【ロボティクス】深層学習のロボット技術への影響と今後の展望 Impacts of Deep Learning to Robotics and Future Perspective

特集 深層学習は情報・システムの研究をどう変えたか
 第4部 融合分野
 
13.【ロボティクス】深層学習のロボット技術への影響と今後の展望
Impacts of Deep Learning to Robotics and Future Perspective

p.424
尾形哲也

実世界で多様に活躍するAIロボット実現を目指して
 本稿では,深層学習技術がロボティクスに与えた影響と今後の展望について概説する.まず動作生成手法について,認識システム,深層強化学習に触れた上で,予測誤差を逐次的に最小化しつつ動作生成を行う深層予測学習のフレームについて紹介する.また実世界と統合した言語学習という視点から,記号接地問題を背景とした運動言語の統合モデルについて,その効果と問題を解説する.最後に今後の展望として,内閣府ムーンショット目標3におけるAIRECプロジェクトのコンセプトを紹介する.

特集 深層学習は情報・システムの研究をどう変えたか  第4部 融合分野   11.【音声合成】深層学習によるテキスト音声合成の飛躍的発展 Drastic Progress of Text-to-speech Synthesis via Deep Learning

特集 深層学習は情報・システムの研究をどう変えたか
 第4部 融合分野
 
11.【音声合成】深層学習によるテキスト音声合成の飛躍的発展
Drastic Progress of Text-to-speech Synthesis via Deep Learning

p.413
全 炳河

コンピュータの「声」は,ディープラーニングで驚くほど自然に!
 テキスト音声合成では,音声波形を自動で切り貼りして所望するテキストに対応する音声を合成する,波形接続型音声合成が主流であった.一方,条件付生成モデルを用いてテキストと音声の関係を学習し,これから任意のテキストから音声を合成する生成モデル型音声合成は,声色を少量の音声で変換できる等の利点があるが,合成音の自然性に課題があった.過去約10年間に深層学習が生成モデル型に導入され,性能が飛躍的に向上した結果,高い自然性を保ちつつ柔軟に話者性や韻律を制御できるようになった.本稿では,深層生成モデルの導入がテキスト音声合成に与えた影響について考察する.

特集 深層学習は情報・システムの研究をどう変えたか  第4部 融合分野   10.【画像・音声生成】画像生成における深層学習の展開と音声変換への応用 Advancement and Application of Deep Generative Models in Image Synthesis and Voice Conversion

特集 深層学習は情報・システムの研究をどう変えたか
 第4部 融合分野
 
10.【画像・音声生成】画像生成における深層学習の展開と音声変換への応用
Advancement and Application of Deep Generative Models in Image Synthesis and Voice Conversion

p.407
金子卓弘

深層学習により,自然な画像・音声が容易に生成・変換可能に
 画像や音声などのメディア情報は人と人,人と機械のコミュニケーションにおいて必要不可欠なものであるが,イメージどおりのものが簡単に得られないことがある.その解決手段として,近年,深層生成モデルを用いた生成・変換技術が注目を集めている.本稿では,まず,深層生成モデルのれい明期から主要な研究対象である画像生成を題材に,深層生成モデルの変遷について解説する.次に,深層生成モデルの特徴である幅広い応用可能性を示す一例として,音声変換への応用について紹介する.最後に,深層生成モデルの今後について展望する.

特集 深層学習は情報・システムの研究をどう変えたか  第3部 音声・自然言語処理分野   9. 【言語処理システム】言語処理システム実装への深層学習の影響 Impact of Deep Learning on NLP System Implementation

特集 深層学習は情報・システムの研究をどう変えたか
 第3部 音声・自然言語処理分野
 
9. 【言語処理システム】言語処理システム実装への深層学習の影響
Impact of Deep Learning on NLP System Implementation

p.401
小林隼人

ニュースサービスでの見出し生成・コメントランキング導入事例
 本稿では,深層学習技術の進展によって言語処理システムの研究開発がどのように変化したかについて,ニュースサービスにおける実例を基に所見を述べる.具体的には,ニュース見出しの候補生成やニュースコメントのランキングに対する深層学習導入事例を紹介し,実践的観点から深層学習の利点・欠点について議論する.