小特集 極限環境の計測を支える回路とシステム技術   1. 民間宇宙ロケット用アビオニクス機器に対する諸要求と実現 Design Requirements and Implementation of Avionics System on Commercial Space Launch Vehicles

小特集 極限環境の計測を支える回路とシステム技術
 
1. 民間宇宙ロケット用アビオニクス機器に対する諸要求と実現
Design Requirements and Implementation of Avionics System on Commercial Space Launch Vehicles

p.275
森岡澄夫 稲川貴大

身近にある電子情報通信技術が切り開く宇宙開発の新時代
 民間主導の宇宙開発が世界で活発化しており,ロケットも純民間での開発・運用が現実に行われるようになってきた.民間ロケットは高い安全性を持ちつつも低コストでなければならない.従来,飛行を制御するために搭載されるアビオニクス(計算機系)が,少量生産の特殊部品を使うことからコスト高騰の主原因となっていた.しかし自動車産業や医療産業などで計算機利用が進み,高性能・高信頼・低コストな電子部品が大量生産されるようになり,その多くは宇宙飛行環境でも利用できる.そのような社会状況変化により初めて,商業ベースに乗る民間ロケットが実現可能となった.

小特集 極限環境の計測を支える回路とシステム技術   小特集編集にあたって Editorial Preface

小特集 極限環境の計測を支える回路とシステム技術
 
小特集編集にあたって
Editorial Preface

p.274
編集チームリーダー 中村洋平

小特集 極限環境の計測を支える回路とシステム技術   2. ガラス球構成フリーフォール型水中無人探査機を用いた海洋環境計測 Ocean Environmental Measurement of Deep Sea Using a Glass Sphere for Free-fall Exploration System

小特集 極限環境の計測を支える回路とシステム技術
 
2. ガラス球構成フリーフォール型水中無人探査機を用いた海洋環境計測
Ocean Environmental Measurement of Deep Sea Using a Glass Sphere for Free-fall Exploration System

p.281
小池義和 ラジャゴパラン ウママヘスワリ 二井信行 長澤純人

ガラス球で海洋環境観測,海洋マイクロプラスチック検出へ
 海洋環境計測において,低コストで簡便な運用が期待されているガラス球を用いたフリーフォール型の海中無人探査機型観測機について紹介する.筆者の一人が関わった江戸っ子1号プロジェクトに関連し,ガラス球内部に市販センサを設置した8,000m以上での超深海の海洋観測について述べる.更に,海洋の大きな問題となっているマイクロプラスチックの観測について,透明なガラス球の特徴を生かした光学的計測手法を紹介し,更に,MEMS技術を取り入れた取組みについて紹介する.

小特集 極限環境の計測を支える回路とシステム技術   1. 民間宇宙ロケット用アビオニクス機器に対する諸要求と実現 Design Requirements and Implementation of Avionics System on Commercial Space Launch Vehicles

小特集 極限環境の計測を支える回路とシステム技術
 
1. 民間宇宙ロケット用アビオニクス機器に対する諸要求と実現
Design Requirements and Implementation of Avionics System on Commercial Space Launch Vehicles

p.275
森岡澄夫 稲川貴大

身近にある電子情報通信技術が切り開く宇宙開発の新時代
 民間主導の宇宙開発が世界で活発化しており,ロケットも純民間での開発・運用が現実に行われるようになってきた.民間ロケットは高い安全性を持ちつつも低コストでなければならない.従来,飛行を制御するために搭載されるアビオニクス(計算機系)が,少量生産の特殊部品を使うことからコスト高騰の主原因となっていた.しかし自動車産業や医療産業などで計算機利用が進み,高性能・高信頼・低コストな電子部品が大量生産されるようになり,その多くは宇宙飛行環境でも利用できる.そのような社会状況変化により初めて,商業ベースに乗る民間ロケットが実現可能となった.

小特集 極限環境の計測を支える回路とシステム技術   小特集編集にあたって Editorial Preface

小特集 極限環境の計測を支える回路とシステム技術
 
小特集編集にあたって
Editorial Preface

p.274
編集チームリーダー 中村洋平

小特集 バイオセンシングデバイスの技術動向   6. 電気化学センサ・バイオ燃料電池によるウェアラブルバイオセンシング技術 Wearable Biosensing Technology Using Electrochemical Sensors and Biofuel Cells

小特集 バイオセンシングデバイスの技術動向
 
6. 電気化学センサ・バイオ燃料電池によるウェアラブルバイオセンシング技術
Wearable Biosensing Technology Using Electrochemical Sensors and Biofuel Cells

p.225
四反田 功 辻󠄀村清也

健康管理用のウェアラブルバイオセンシングシステム
汗,尿,涙,唾液などの体液を用いた非侵襲的なウェアラブルバイオセンシングの研究が注目を集めている.将来的にウェアラブルバイオセンシング技術は,日常時の健康状態の管理や遠隔医療診断において十分な情報を提供できる.また,ウェアラブルバイオセンシングの新たな電源として,バイオ燃料電池技術が大きな関心を集めている.本稿では,酵素を電極触媒として用いた電気化学バイオセンサ,バイオ燃料電池及び自己駆動式バイオセンシングシステムについて概説する.

小特集 バイオセンシングデバイスの技術動向   2. オンチップCMOS pHイメージセンサによるバイオイメージング Bio-imaging with On Chip CMOS pH Image Sensors

小特集 バイオセンシングデバイスの技術動向
 
2. オンチップCMOS pHイメージセンサによるバイオイメージング
Bio-imaging with On Chip CMOS pH Image Sensors

p.192
澤田和明 髙橋一浩 崔 容俊 野田俊彦

生体のバイオ物質のリアルタイムに見える化技術
見えないものを見る技術は,私たちが様々な現象理解する上で重要な技術である.私たちの脳活動をはじめ様々な生体活動にはイオンや生理活性物質が重要な役割を担っていることはよく知られているが,その複雑なネットワークはいまだ解明していないことが多い.私たちはこの生理活性物質やイオンを非標識,リアルタイムに可視化することを目指し,CMOSイメージセンサ技術とバイオセンサ技術を融合させることにより,これまで見ることができなかった化学物質の動きを可視化できるバイオイメージセンサの開発を進めてきた.本稿ではCMOSイメージセンサ技術を活用したバイオイメージセンサの原理からその応用例について述べる.

小特集 バイオセンシングデバイスの技術動向   1. CMOS技術をベースとした生体埋込エレクトロニクスデバイス Implantable Electronic Devices Based on CMOS Technologies

小特集 バイオセンシングデバイスの技術動向
 
1. CMOS技術をベースとした生体埋込エレクトロニクスデバイス
Implantable Electronic Devices Based on CMOS Technologies

p.186
太田 淳

体内にCMOSデバイスを埋め込む時代がやってくる?
最近のCMOS技術をベースとした生体埋込エレクトロニクスデバイスの代表例として網膜刺激方式人工視覚を取り上げ,その課題と対応について述べる.まず人工視覚とその一方式である網膜刺激方式について概説する.次に課題である電力供給,チップ保護膜,多極化における課題とその対応について解説を行う.最後に今後の展開について述べる.

小特集 システム数理の現状と展望   6. スパースモデリングの基礎とその動的システム同定への応用 Fundamentals of Sparse Modeling and Its Application to Dynamical System Identification

小特集 システム数理の現状と展望
 
6. スパースモデリングの基礎とその動的システム同定への応用
Fundamentals of Sparse Modeling and Its Application to Dynamical System Identification

p.143
永原正章

スパースモデリングの基礎とシステム同定への応用がMATLABコード付きで学べます
 本稿では,機械学習や信号処理の分野で近年盛んに研究されているスパースモデリングについて,その基礎と動的システムへの応用について解説する.特に本稿では回帰問題を題材として,従来法である正則化法を解説し,その展開としてスパース正則化の観点からスパースモデリングの基礎を解説する.また,l1ノルムを用いた凸最適化問題を高速に解く近接勾配法,及びl0正則化を直接解く貪欲法のアルゴリズムを紹介し,多項式曲線フィッティングの例題によりそれらの特徴について述べる.更に,動的システムへの応用としてシステム同定の問題を取り上げ,スパースなインパルス応答の推定にスパースモデリングが利用できることを述べる.

小特集 システム数理の現状と展望   5. ディープラーニングにおけるビルディングブロックの発展と展望 Development and Prospects of Building Blocks in Deep Learning

小特集 システム数理の現状と展望
 
5. ディープラーニングにおけるビルディングブロックの発展と展望
Development and Prospects of Building Blocks in Deep Learning

p.136
庄野 逸

ディープラーニングにおけるネットワークの基本構造の発展経緯をたどる
 ディープラーニングは多層の人工ニューラルネットワークによる機械学習手法である.画像処理分野においては特に畳込みニューラルネットワーク(CNN)と呼ばれる手法がこの分野をけん引してきた.このCNNの発展を,その基本単位であるビルディングブロックから眺め,AlexNet,GoogLeNet,VGGNet,ResNetを例に解説を行う.更にこのビルディングブロックの性能向上を図るために導入された注意機構(Attention)の解説を行う.