小特集 可視光通信の最新動向 4. 水中可視光通信 Underwater Visible Light Communications

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澤 隆雄 西村直喜 東條公資

深海のかなたでもスマートフォンが利用可能になる世界
 これまでの水中無線通信は低速な音響通信に頼ってきた.しかしコンピュータで扱うデータの増大に伴い,より高速な無線通信手段として,可視光を用いた水中可視光無線通信が注目されている.我々は水中移動体との高速無線通信を実現するために,青,緑,赤色の可視光レーザダイオードを送信素子に,光電子増倍管を受光素子に用いた光無線通信装置の開発を進めている.可視光は水中でも空中でも伝搬するため,水面をまたいだ通信も可能である.特に太陽光の届かない深海は光通信に適した環境であることから,水中ドローンへの利用拡大が期待できる.