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増田則夫 関根徳彦 菅野敦史
真空管技術のリバイバル
ミリ波帯と赤外線領域の中間領域に位置するテラヘルツ波帯には,「テラヘルツギャップ」と呼ばれる有用な通信用増幅デバイスがない周波数帯が存在し,電力発生・増幅技術の開発が重要な課題の一つである.このテラヘルツ波帯では,マイクロ波帯からミリ波帯において使われている進行波管が高出力な増幅器を実現するための増幅デバイスの候補として期待されている.この進行波管の動作周波数を高めるためには増幅素子(遅波回路)の微細化が必要となる.本稿では進行波管の遅波回路をマイクロマシン技術を使って微細化した300GHz帯進行波管及び可搬形電力モジュールの開発状況を含めて報告する.