小特集 回路とシステムの研究を「社会実装」するまで
7. 徹底的な分解と再構築から見えてくるもの
What We Found on Complete Break Down and Reconstruction of Hardware?
p.1034
秋田純一 高須正和
現代における研究の社会実装の在り方とは?
コンピュータサイエンスの研究者であるAndrew “bunnie” Huang氏は,最初期のIoT製品であるChumbyを中国で量産するなど,研究を「世に出す」経験を多数試みている.その根底にあるのは,徹底的な分解と,その上での再構築のプロセスであり,また,設計・製造からマーケティング・財務まで,専門性の壁に阻まれがちな複数の分野を手を動かして作ることで解き明かしていく姿勢はまさに「社会実装」であり,様々な視点からの示唆に富む.本稿では,氏の著書「ハードウェアハッカー」の解説を通して,研究の社会実装について考察する.