小特集 コミュニケーションロボットの現状
1. コミュニケーションロボットの商業的な動向
Market Trends for Communication Robots in Japan
p.289
斉藤壮司
普及に向けた企業の挑戦と壁
これまで多くの企業が商業的な成功を目指してコミュニケーションロボットを売り出してきた.ロボットとの触れ合いや会話といった体験は新鮮で,消費者の注目を浴びてきたことは確かである.しかし,企業が思い描いたように売れたロボットは一握りだ.人間形ロボットPepper の登場が象徴した「第3次ロボットブーム」も,曲がり角を迎えている.ロボット事業を続ける各社は,あの手この手で生き残りを模索し始めた.本稿では,技術系記者である筆者の独断で印象的なロボットを選び,その取組みを紹介する.過去の取材や報道をひも解きながら,企業による挑戦を振り返ってみたい.