特集 1-4 2030年を見据えた光デバイス技術の展望 ――ポストムーア時代に向けて―― Optical Device Technology toward 2030:Outlook for the Post-Moore Era

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並木 周 鍬塚治彦 河島 整 井上 崇 山田浩治 森 雅彦

ディスアグリゲーションによる消費電力の飛躍的減少の可能性
 近年,データセンターは,インターネットコンテンツプロバイダ等の著しい進展により,ますます高度化し,その役割は,人工知能などを駆使したIoTやビッグデータへの期待ともあいまって,情報通信インフラの根幹として,もはや社会にとって不可欠なものとなった.ところが,今後の技術展望では,ムーアの法則の終えんがデータセンター技術の発展に大きな影を落としている.本稿では,2030年頃のデータセンター技術,光インタコネクト技術を展望し,光スイッチの重要性を唱える.光スイッチを次世代データセンターに導入するためには,新しい光インタコネクト技術に加え,ディスアグリゲーションというキーワードに代表される新しいコンピューティングの創出が不可欠であるが,そのためには,アーキテクチャからデバイスまでの垂直融合技術開発体制とそれを持続可能にするエコシステムの構築が急がれる.