特集1-3 圧縮センシング Compressed Sensing

pp381
田中利幸

少ない観測結果から,多くの変数の値を推定する
 スパースモデリングに関連する主題の中で,圧縮センシングは理論の豊かさと応用の幅広さとの点で際立っている.本稿では,この10年余りの間に大きな学術分野に成長し,現在も成長を続けている圧縮センシングについて解説する.まず,基本的な問題設定として,観測雑音がない場合のスパースベクトルの推定について述べ,続いて,観測雑音がある場合や,推定対象のベクトルが「ほぼスパース」である場合についての議論を紹介する.更に,実問題への応用事例としてMRI画像再構成について解説する.