特集 量子機械学習
1. 量子リザバーコンピューティングの新展開
Progress in Quantum Reservoir Computing
チャンクオックホアン 中嶋浩平
量子複雑系を用いる型破り計算の古典・量子学習タスクへの応用
量子リザバーコンピューティングは物理システムの量子性を利用し,簡単な学習戦略と組み合わせることで,機械学習タスクへの優れた性能を発揮する.このような従来と異なるコンピューティング手法への関心は近年著しい高まりを見せている.それは,実装に適した多様な量子プラットホームが利用可能になったことや複雑な量子系の研究における理論的進歩が要因となっている.本稿では古典タスクや量子タスクを考慮した量子リザバーコンピューティングの幅広い可能性を示す.量子リザバーコンピューティングの動作原理から物理実装まで最近の研究動向を紹介し,未解決課題と今後の展望について議論する.