小特集 ICTによる農林畜産業への取組 ──回路とシステムの観点から──   小特集編集にあたって Editorial Preface

小特集 ICTによる農林畜産業への取組
──回路とシステムの観点から──
 
小特集編集にあたって
Editorial Preface

p.525
編集チームリーダー 佐藤弘樹

小特集 ICTによる農林畜産業への取組 ──回路とシステムの観点から──   1. 施設植物生産現場におけるセンシング・環境制御・AI 応用の歴史・現状・課題 History, Current Situation and Issues of Sensing, Environmental Control and AI Application on Commercial Crop Production in Greenhouses

小特集 ICTによる農林畜産業への取組
──回路とシステムの観点から──
 
1. 施設植物生産現場におけるセンシング・環境制御・AI 応用の歴史・現状・課題
History, Current Situation and Issues of Sensing, Environmental Control and AI Application on Commercial Crop Production in Greenhouses

p.526
星 岳彦

ICTによる低コスト植物生産の実現
 日本では1980年代から,植物工場,植物生体情報センシング,高度環境計測制御システム,パソコン通信ネットワーク,農業AI応用などの電子情報通信技術の応用研究が活発化した.昨今の半導体素子のコストパフォーマンスの劇的向上は,中小規模の施設園芸生産者にまで,電子化による労務・収益性の改善の恩恵をもたらしたのか.また,残された課題はどのようなものか.そして,それを解決するためにどのような方法が期待できるのか.施設植物生産システムの研究開発に取り組んだ経験を踏まえ,その歴史・現状・課題について総説する.

小特集 ICTによる農林畜産業への取組 ──回路とシステムの観点から──   2. 植物の生育特徴量計測における低価格小形コンピュータの可能性 Potential of Low-cost Small Computers for Plant Growth Feature Values Measurement

小特集 ICTによる農林畜産業への取組
──回路とシステムの観点から──
 
2. 植物の生育特徴量計測における低価格小形コンピュータの可能性
Potential of Low-cost Small Computers for Plant Growth Feature Values Measurement

p.532
岡安崇史 伊藤次郎 ハミダ アストリアティ

効率の良い農業の普及を目指して
 植物の栽培管理技術や育種の高度化には,植物生育環境のみならず,植物の成長や環境応答性を計測・評価する技術の開発が求められる.近年では,ICT(Information and Communication Technology)の目覚ましい発展を受けて,IoT(Internet of Things)やAI(Artificial Intelligence)などを利用した計測・評価技術の開発が盛んに行われている.その背景には,センサ,カメラ,コンピュータ等のハードウェアの低価格化が進んだことに加えて,これらの機器を利用するためのソフトウェアがオープンソースとして提供されるようになったことが大きく関係している.したがって,アイデアと機器開発に関する知識・技術があれば,計測装置を自作することも十分可能な環境が整いつつある.本稿では,植物生育情報の計測に対する低価格の小形コンピュータ利用の可能性について,研究事例も交えながら述べさせて頂く.

小特集 ICTによる農林畜産業への取組 ──回路とシステムの観点から──   4. 超精密放牧のためのモニタリング技術開発 Monitoring Technology Development for Ultra-precision Grazing

小特集 ICTによる農林畜産業への取組
──回路とシステムの観点から──
 
4. 超精密放牧のためのモニタリング技術開発
Monitoring Technology Development for Ultra-precision Grazing

p.544
伊藤浩之 Korkut Kaan TOKGOZ 大橋 匠 竹田謙一

牛のサイレントボイスを具現化する技術
 筆者らのプロジェクトでは,持続可能な畜産・酪農の推進に貢献するために,放牧を活用しながら,生産者にとっての収益,家畜のアニマルウェルフェアを全て向上できる技術と仕組みの構築を目指している.生産者と家畜(牛)の関係に着目すると,コスト削減とアニマルウェルフェア向上に必要不可欠な監視業務を効率化することが鍵であることから,放牧でも利用可能な牛用モニタリングシステムの実現を目指している.本稿では,筆者らの構想の詳細と,牛モニタリングにおける課題並びに最近の研究成果を紹介する.

小特集 多様化する大学教育 ──博士課程教育リーディングプログラム──   小特集編集にあたって Editorial Preface

小特集 多様化する大学教育
──博士課程教育リーディングプログラム──
 
小特集編集にあたって
Editorial Preface

p.559
山中直明 塩田茂雄

小特集 多様化する大学教育 ──博士課程教育リーディングプログラム──   1. 総論 ──理工系教育と博士を考える── What Is a Ph.D.? : Think about Science and Engineering Graduate School Education

小特集 多様化する大学教育
──博士課程教育リーディングプログラム──
 
1. 総論
──理工系教育と博士を考える──
What Is a Ph.D.? : Think about Science and Engineering Graduate School Education

p.560
山中直明 塩田茂雄

2030年に向けた日本変革のラストチャンスとしての大学院改革

小特集 多様化する大学教育 ──博士課程教育リーディングプログラム──   2. お茶の水女子大学博士課程教育リーディングプログラムの取組とその成果について The Leading Graduate Program at Ochanomizu University and Its Achievements

小特集 多様化する大学教育
──博士課程教育リーディングプログラム──
 
2. お茶の水女子大学博士課程教育リーディングプログラムの取組とその成果について
The Leading Graduate Program at Ochanomizu University and Its Achievements

p.563
吉田裕亮

超領域的自主協働研究が培うイノベーティブ理工系女性リーダー
 お茶の水女子大学における博士課程教育リーディングプログラムは,イノベーションを創出し続けることのできる高い柔軟性を持った理工系女性博士人材を,産官学が協働して育成することを目指した.本プログラムでは,産業界から博士人材育成の必須要件として寄せられた現場の声を可能な限り具現化したものとして,超領域的な自主協働研究を行う新たな教育手法Project Based Team Study(PBTS)を基幹に据えた.本稿では,本プログラムのPBTSを中心とする具体的な成果と,お茶の水女子大学での大学院教育改革への寄与について報告する.