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菅野貴皓
情報通信技術で先端医療をより便利に・よりどこへでも
触力覚通信は,様々な産業分野で応用が期待されている.特に医療の分野では,触力覚を基にした繊細な作業が要求されることから,触力覚通信を実現するための研究開発が活発である.本稿では,医療機器,とりわけ遠隔操作手術支援ロボットについて,実用化・製品化についての現在の状況,触力覚の計測と推定に関する技術,通信に関する技術について概説する.現時点では,通信を伴う遠隔手術ロボットについてはまだ実用化されていないが,臨床実験を行ったケースが報告されるなど,実用化に向けた取組みは着実に進んでいる.