森川博之
ディジタル変革による地域活性化の可能性を実例を交えて熱く説く
ディジタル変革による地域活性化の可能性を実例を交えて熱く説く
深層学習の導入による音声認識性能改善のからくり
音声認識技術は,大量の音声データの利用と深層学習の導入により,近年急速に発展してきた.この中で,今まで非常に難しいと考えられてきた雑音下の音声認識の精度も向上し,現実的な環境で用いることができるようになってきている.本稿では,深層学習の利用を中心に,近年の音声認識技術の発展及びその将来像について,音声認識を含めた音声処理研究者のみならず,関連する技術分野の研究者も対象に,解説を行う.
真空管技術のリバイバル
ミリ波帯と赤外線領域の中間領域に位置するテラヘルツ波帯には,「テラヘルツギャップ」と呼ばれる有用な通信用増幅デバイスがない周波数帯が存在し,電力発生・増幅技術の開発が重要な課題の一つである.このテラヘルツ波帯では,マイクロ波帯からミリ波帯において使われている進行波管が高出力な増幅器を実現するための増幅デバイスの候補として期待されている.この進行波管の動作周波数を高めるためには増幅素子(遅波回路)の微細化が必要となる.本稿では進行波管の遅波回路をマイクロマシン技術を使って微細化した300GHz帯進行波管及び可搬形電力モジュールの開発状況を含めて報告する.
光に迫る! 超高速無線技術のフロンティア
超高周波を用いるテラヘルツ帯通信には高周波性能の勝る化合物半導体がこれまで研究で用いられてきた.一方で,275GHzを超える未割当の周波数帯が今後通信に利用できる期待から300GHz帯と呼ばれる周波数を用いるテラヘルツ通信が注目を集めている.この300GHz帯において,シリコンゲルマニウムトランジスタを用いるBiCMOS集積回路と微細化の進むCMOS集積回路を用いた無線通信回路の研究が増えてきた.本稿では,この2種類の量産に優れるシリコン集積回路を用いたテラヘルツ通信技術の概要を説明し,その応用と将来を議論する.
光と電磁波の境界は何をもたらすのか?
従来,テラヘルツ(THz)技術は主にフェムト秒パルスレーザを用いたTHz時間領域分光法やTHzパラメトリック発生装置などによって開拓されてきたが,近年の革新的な半導体技術の進展により真にコンパクトな光源が実現されつつあり,より現実的なTHz応用に向け現在新しい展開を見せてきている.そこで,本稿では他の技術では難しいTHz帯の特徴を生かした応用に触れるとともに,光源に主眼を置いてコンパクトTHzデバイスの進展状況について報告する.
仕事におけるつながり方の様々な形
コミュニケーションを支援するコラボレーション技術は,時代のニーズを反映しながら様々な進化を遂げている.働き方改革が最重要課題となっている現代の日本において,最新テクノロジーを活用し,時間や場所の制約を受けず柔軟に働ける環境,一人一人が能力を十分に発揮し活躍できる仕組みの実現は急務と言える.更なるビジネス変革を実現するため,人工知能(AI)技術の活用への期待も高まっている.時代とともに進化するコラボレーション技術をひも解き,働き方改革を推進し,価値創造につながるコラボレーション技術について考察する.
高齢者が社会を支えていく高齢化社会を実現する
日本は世界随一の高齢化国である一方,大多数の高齢者は介護や支援を必要とせず,就労や社会参加の意思を持つ「元気高齢者」が多い.クラウドソーシング等,情報通信技術(ICT)を基盤とする新しい働き方の普及により,より多くの高齢者に活躍の場を提供し,就業希望と就業実態のギャップや孤独化といった社会的な課題の解消が期待できる.本稿は,二つの実証実験の事例を通し,ICTを活用した高齢者のオンライン就労(クラウドソーシング)及びオンサイト就労(地域就労/生きがい就労)の可能性を示す.