小特集 防災・減災に向けた災害監視・予測技術 2. フェイズドアレー気象レーダを用いた超高速降水予報 Super-rapid Precipitation Forecast Using Phased Array Weather Radar
小特集 防災・減災に向けた災害監視・予測技術
2. フェイズドアレー気象レーダを用いた超高速降水予報
Super-rapid Precipitation Forecast Using Phased Array Weather Radar
三好建正
先端技術でゲリラ豪雨を捉えろ
気候変動も関係し,ゲリラ豪雨などの激しい気象が増え,脅威となっている.フェイズドアレー気象レーダは,僅か10分の間に急激に変化する積乱雲を詳細に捉える新型センサである.スーパコンピュータ「京」の計算パワーを生かし,フェイズドアレー気象レーダの観測ビッグデータを使った桁違いのゲリラ豪雨予測の先端研究が切り開かれた.本稿では,様々な降水現象と災害リスクについて紹介し,フェイズドアレー気象レーダの特徴と,それを生かした超高速降水予報技術について述べる.
小特集 防災・減災に向けた災害監視・予測技術 1. 陸域観測技術衛星を用いた災害監視技術 Disaster Monitoring Technologies by ALOS Series
小特集 防災・減災に向けた災害監視・予測技術
1. 陸域観測技術衛星を用いた災害監視技術
Disaster Monitoring Technologies by ALOS Series
鈴木新一 勘角幸弘 本岡 毅
宇宙空間から防災・減災に貢献
陸域観測技術衛星(ALOS)シリーズは,2006年1月から5年強運用したALOS(光学,SAR:合成開口レーダ),2014年5月に打ち上げて現在運用中のALOS-2(SAR)に続き,2020年度以降に打上げ予定のALOS-3(光学),ALOS-4(SAR)が計画されている.防災関連府省庁や自治体,海外機関において,災害監視にALOS シリーズが活用されている.本稿では,衛星を用いた災害監視技術について,特にSAR による観測技術について報告する.
小特集 防災・減災に向けた災害監視・予測技術 小特集編集にあたって Editorial Preface
小特集 防災・減災に向けた災害監視・予測技術
小特集編集にあたって
Editorial Preface
葛西恵介
小特集 食とICT 6.【消費×ICT】多感覚情報提示で作り出す食の喜び The Pleasure of Eating Created by Multisensory Interfaces
小特集 食とICT
6.【消費×ICT】多感覚情報提示で作り出す食の喜び
The Pleasure of Eating Created by Multisensory Interfaces
鳴海拓志
食にまつわる知覚のハッキングで豊かな食体験を
計算機を介することで人間と食の間により良い関係を作り出し,食体験を豊かにする技術がHuman Food Interaction技術である.食は五感を総動員する体験であり,それがゆえに食にまつわる感覚の仕組みを理解した上で,味覚や嗅覚を含む多様な感覚を提示できなければHuman Food Interactionの実現は難しい.本稿では,多感覚に働き掛けるインタフェース研究において昨今登場してきた革新的アプローチを概観するとともに,そうした多感覚情報提示を活用して食の喜びを作り出すHuman Food Interaction技術を紹介し,その可能性と展望を考察する.
小特集 食とICT 2.【生産×ICT】リモートセンシングによる農作物生育診断 Monitoring of Crop Growth Using Remote Sensing
小特集 食とICT
2.【生産×ICT】リモートセンシングによる農作物生育診断
Monitoring of Crop Growth Using Remote Sensing
本間香貴 橋本直之 牧 雅康 倉本泰隆 趙 昱 八幡晃一郎 山本知史
農作物の健康を空と宙から見守る
農作物の栽培管理を最適化するためには作物の生育診断に資する情報の収集が重要である.情報収集の省力化・高度化などの観点から,対象物の情報を遠隔から取得するリモートセンシングを利用する取組みが検討されてきた.現在,衛星リモートセンシングでは水稲の収量評価,UAV(Unmanned Aerial Vehicle)リモートセンシングでは野菜の収量推計などが実利用されている.今後更に実利用化を進めるためには,リモートセンシングの課題と運用要件を踏まえた構想が重要である.
小特集 食とICT 1. 食とICT の動向:マルチメディア処理の観点から ─ユーザと管理栄養士のための新しい食事記録ツール─ Food Computing : From Multimedia Perspective ; Food Recoding Tool for Users and Dietitians
小特集 食とICT
1. 食とICT の動向:マルチメディア処理の観点から
─ユーザと管理栄養士のための新しい食事記録ツール─
Food Computing : From Multimedia Perspective ; Food Recoding Tool for Users and Dietitians
相澤清晴
活用が進む,食へのメディア処理
近年は,食事情報のマルチメディア処理の研究発表が,マルチメディアやコンピュータビジョンの会議にて,頻出するようになった.本稿では,それらで対象とされる食事画像認識,マルチモーダル処理についての概要を述べるとともに,筆者らが長らく取り組んできた食事記録に関して論じる.現在,新しい視点に基づくツールFoodLog Athlを新たに開発・公開し,利用者への提供を進めている.そのツールは,ユーザだけでなく,管理栄養士に利用してもらうことを意図している.ユーザ,管理栄養士双方からの視点でシステムの機能を紹介する.
小特集 食とICT 小特集編集にあたって Editorial Preface
小特集 食とICT
小特集編集にあたって
Editorial Preface
編集チームリーダー 井ノ上直己
小特集 宇宙通信新時代の幕開け 6.宇宙エレベータ技術とその通信応用 Space Elevator and Communication Technology for Space Elevator
小特集 宇宙通信新時代の幕開け
6.宇宙エレベータ技術とその通信応用
Space Elevator and Communication Technology for Space Elevator
大野修一 八坂哲雄
夢物語ではない,次世代の宇宙大量輸送システム
宇宙エレベータは地球や火星,小惑星など太陽系の多くの場所で設置と活用が可能な,現在のロケット技術に代わる次世代の宇宙大量輸送機関である.本稿では宇宙エレベータの全体像と構成要素の概要,その実現が人類社会にどのような恩恵をもたらすのか解説する.また,宇宙エレベータ技術の確立の途上にあるテザー衛星技術と通信技術の開発においてスピンオフを期待できる,静止軌道チェーン衛星の構想の概要についても解説する.
小特集 宇宙通信新時代の幕開け 4.宇宙通信新時代を支える ──1bit/sから100 Gbit/sの衛星通信を支える技術── The Satellite Communication Technologies with Scalable Bandwidth up to 100 Gbit/s to Realize New Era of Space Networking
小特集 宇宙通信新時代の幕開け
4.宇宙通信新時代を支える
──1bit/sから100 Gbit/sの衛星通信を支える技術──
The Satellite Communication Technologies with Scalable Bandwidth up to 100 Gbit/s to Realize New Era of Space Networking
米田誠良
宇宙サービスの可能性を広げる新たな通信技術
衛星搭載通信系においては大きく,「コマンド受信・テレメトリー送信の役割を担うトランスポンダを中心としたTT&C系」と,「観測データを地上に伝送する変調器を中心としたミッションデータ伝送系及び,放送電波や各種通信信号を中継処理する通信衛星中継ペイロード系」に分けられる.TT&C系においては小形高性能であることとともに,高い信頼性も求められる.ミッションデータ伝送系や中継ペイロード系においては,高速化及び通信要求への柔軟な対応を目指し,ディジタル技術の導入によるスマート化が求められている.また昨今,電波監視のニーズの高まりを受けた対応も求められる状況にある.これらを支える技術について紹介を行う.