小特集 Beyond 5G 時代を支える光ネットワークの技術動向と展望   1. Beyond 5G 時代の研究開発が進むべき方向 ──産業・地域・年代を越えるオープンな協創を実現するために── Direction of R&D in Beyond 5G Era: To Realize Open Co-creation across Industries, Regions, and Generations

小特集 Beyond 5G 時代を支える光ネットワークの技術動向と展望
 
1. Beyond 5G 時代の研究開発が進むべき方向 ──産業・地域・年代を越えるオープンな協創を実現するために──
Direction of R&D in Beyond 5G Era: To Realize Open Co-creation across Industries, Regions, and Generations

p.750
石津健太郎

Beyond 5Gをモバイル通信システムの進化系と理解すると,研究開発の方向性を見失うかもしれない.人間中心の社会の実現を提唱するSociety 5.0の実現に当たっては,技術主導の議論を行う前に,まず実現したい夢の未来生活を描き,取り組むべき研究テーマを導く必要がある.しかし,ニーズが多様化する社会では,独立した研究成果だけでサービス化することは難しく,産業・地域・年代を越えて協創できるオープンな情報通信プラットホームが必要だ.本稿では,筆者の所属するNICTの取組みを中心に,Beyond 5Gの研究開発において進むべき方向性と動向を紹介する.

特集 人とAIの協働   水産養殖分野における人とAIの協働 Human-AI Collaboration in Aquaculture Farms

特集 人とAIの協働
 
水産養殖分野における人とAIの協働
Human-AI Collaboration in Aquaculture Farms

p.444
高橋康輔

水産養殖は食糧問題や環境保護などの社会問題を解決するアプローチとして大きな注目を集めている.一方生産現場には現在も数多くの課題があり,特に給餌の省力化・省人化に関する要望は大きい.この課題に対し,我々はAIを用いて魚の摂餌状況を分析し,給餌を自動制御するスマート給餌機を開発している.本給餌機を導入することで,従来では実現が困難であった働き方や生育方法が可能になったという報告がある.また,給餌のほかにも様々な観点でAIの活用が進んでおり,水産養殖は今後も成長が大きく期待できる分野である.

特集 人とAIの協働   気象分野における人とAIの協働 Human-AI Collaboration in the Field of Meteorology

特集 人とAIの協働
 
気象分野における人とAIの協働
Human-AI Collaboration in the Field of Meteorology

p.438
増田有俊

本稿では,気象分野における人とAIの協働の現状と未来について論じた.気象データの活用は健康,交通,電力など多岐にわたり,その重要性が増している.気象予測プロセスは,観測と数値予報及び数値予報結果の補正や翻訳で構成されている.AIは,観測データの雑音除去や数値予報結果の補正などに利用されており,近年は数値予報モデルを用いないAIによる気象予測も注目されている.AIの進展は,気象概況の作成やコンサルティングなど人間の業務を補完する可能性を示しており,今後の気象予測分野におけるAIの活用と協働の拡大が期待される.

特集 人とAIの協働   宇宙分野における人とAIの協働 Challenges of AI in Space Development

特集 人とAIの協働
 
宇宙分野における人とAIの協働
Challenges of AI in Space Development

p.429
堤 誠司, 橋本真太郞

宇宙開発ではミッションの複雑化に伴い,従来の人間を中心とした運用から自律化へのニーズが高まっている.自律化を実現する上でAIは鍵を握る技術であり,宇宙航空研究開発機構では特にその応用に焦点を当てた研究を進めている.深層学習を使用した衛星画像からの船舶識別,スペースデブリの位置推定,また再使用ロケットエンジンの健全性予測及び管理に関する研究事例を紹介するとともに,AI利用における課題の一つである学習データ不足に対し,数値シミュレーションを用いたデータ生成やドメインシフトの抑制について解説する.

小特集 AIチップに向けた不揮発性メモリ技術とその展望   不揮発性メモリを用いたニューロモルフィックAIハードウェアの最新技術と今後の展望 Latest Technologies and Future Prospects for Neuromorphic AI Hardware Using Non-volatile Memory

小特集 AIチップに向けた不揮発性メモリ技術とその展望
 
不揮発性メモリを用いたニューロモルフィックAIハードウェアの最新技術と今後の展望
Latest Technologies and Future Prospects for Neuromorphic AI Hardware Using Non-volatile Memory

p.289
野村 修 森江 隆

既存ディジタル方式を越える性能が期待されているニューロモルフィックAIハードウェアの構成法として,不揮発性メモリを用いたCiMアーキテクチャについて説明し,最新技術とその課題を示す.更に不揮発性メモリを応用したアナログ的な演算手法として,筆者らが提案している時間領域アナログ集積回路方式における設計法と,高効率化に適したリザバー計算モデルについて紹介する.

1200号記念特集 100年後の情報通信が支える未来予想図   ヒューマンコミュニケーション研究から見る未来のかたち Envisioning the Future: A Human Communication Research Perspective

1200号記念特集 100年後の情報通信が支える未来予想図
 
ヒューマンコミュニケーション研究から見る未来のかたち
Envisioning the Future: A Human Communication Research Perspective

p.237
新井田 統 小森智康 酒向慎司 田中章浩 布川清彦

1200号記念特集 100年後の情報通信が支える未来予想図   “私の思う100年後の未来”に対して The Future in Next 100 Years I Think

1200号記念特集 100年後の情報通信が支える未来予想図
 
“私の思う100年後の未来”に対して
The Future in Next 100 Years I Think

p.233
佐藤弘樹

1200号記念特集 100年後の情報通信が支える未来予想図   未来予想図(健康編) Future Visions: Health Care

1200号記念特集 100年後の情報通信が支える未来予想図
 
未来予想図(健康編)
Future Visions: Health Care

p.207
高橋応明

小特集 自動運転を支える情報通信技術の最新動向   自動運転を支えるEMC設計評価技術 EMC Design and Evaluation Technology Supporting Autonomous Driving

小特集 自動運転を支える情報通信技術の最新動向
 
自動運転を支えるEMC設計評価技術
EMC Design and Evaluation Technology Supporting Autonomous Driving

p.135
和田修己

自動車の安全性を確保するために,車載電気電子機器は高い信頼性が要求される.特に,自動運転を実現するためには,雑音源となるパワエレ機器も存在するEV等の自動車中で車載ネットワークの信頼性と情報通信の完全性を確保する必要がある.複雑システムである車載電気電子機器系の中で通信の信頼性・完全性を確保するために,車載ネットワーク機器のEMC試験法に関する国際標準化,車載通信用トランシーバIC等の集積回路・電子部品のEMC性能を確保するための設計法の開発が進んでいる.本稿では,それら技術の概要と最近の国際標準化動向について解説する.