小特集 ICTによる農林畜産業への取組 ──回路とシステムの観点から── 4. 超精密放牧のためのモニタリング技術開発 Monitoring Technology Development for Ultra-precision Grazing
小特集 ICTによる農林畜産業への取組
──回路とシステムの観点から──
4. 超精密放牧のためのモニタリング技術開発
Monitoring Technology Development for Ultra-precision Grazing
伊藤浩之 Korkut Kaan TOKGOZ 大橋 匠 竹田謙一
牛のサイレントボイスを具現化する技術
筆者らのプロジェクトでは,持続可能な畜産・酪農の推進に貢献するために,放牧を活用しながら,生産者にとっての収益,家畜のアニマルウェルフェアを全て向上できる技術と仕組みの構築を目指している.生産者と家畜(牛)の関係に着目すると,コスト削減とアニマルウェルフェア向上に必要不可欠な監視業務を効率化することが鍵であることから,放牧でも利用可能な牛用モニタリングシステムの実現を目指している.本稿では,筆者らの構想の詳細と,牛モニタリングにおける課題並びに最近の研究成果を紹介する.
小特集 ICTによる農林畜産業への取組 ──回路とシステムの観点から── 2. 植物の生育特徴量計測における低価格小形コンピュータの可能性 Potential of Low-cost Small Computers for Plant Growth Feature Values Measurement
小特集 ICTによる農林畜産業への取組
──回路とシステムの観点から──
2. 植物の生育特徴量計測における低価格小形コンピュータの可能性
Potential of Low-cost Small Computers for Plant Growth Feature Values Measurement
岡安崇史 伊藤次郎 ハミダ アストリアティ
効率の良い農業の普及を目指して
植物の栽培管理技術や育種の高度化には,植物生育環境のみならず,植物の成長や環境応答性を計測・評価する技術の開発が求められる.近年では,ICT(Information and Communication Technology)の目覚ましい発展を受けて,IoT(Internet of Things)やAI(Artificial Intelligence)などを利用した計測・評価技術の開発が盛んに行われている.その背景には,センサ,カメラ,コンピュータ等のハードウェアの低価格化が進んだことに加えて,これらの機器を利用するためのソフトウェアがオープンソースとして提供されるようになったことが大きく関係している.したがって,アイデアと機器開発に関する知識・技術があれば,計測装置を自作することも十分可能な環境が整いつつある.本稿では,植物生育情報の計測に対する低価格の小形コンピュータ利用の可能性について,研究事例も交えながら述べさせて頂く.
小特集 ICTによる農林畜産業への取組 ──回路とシステムの観点から── 1. 施設植物生産現場におけるセンシング・環境制御・AI 応用の歴史・現状・課題 History, Current Situation and Issues of Sensing, Environmental Control and AI Application on Commercial Crop Production in Greenhouses
小特集 ICTによる農林畜産業への取組
──回路とシステムの観点から──
1. 施設植物生産現場におけるセンシング・環境制御・AI 応用の歴史・現状・課題
History, Current Situation and Issues of Sensing, Environmental Control and AI Application on Commercial Crop Production in Greenhouses
星 岳彦
ICTによる低コスト植物生産の実現
日本では1980年代から,植物工場,植物生体情報センシング,高度環境計測制御システム,パソコン通信ネットワーク,農業AI応用などの電子情報通信技術の応用研究が活発化した.昨今の半導体素子のコストパフォーマンスの劇的向上は,中小規模の施設園芸生産者にまで,電子化による労務・収益性の改善の恩恵をもたらしたのか.また,残された課題はどのようなものか.そして,それを解決するためにどのような方法が期待できるのか.施設植物生産システムの研究開発に取り組んだ経験を踏まえ,その歴史・現状・課題について総説する.
小特集 ICTによる農林畜産業への取組 ──回路とシステムの観点から── 小特集編集にあたって Editorial Preface
小特集 ICTによる農林畜産業への取組
──回路とシステムの観点から──
小特集編集にあたって
Editorial Preface
編集チームリーダー 佐藤弘樹
特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会 2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化 2-9 オールフォトニクスネットワークの実現に向けた伝送技術の進展 Evolution of Transmission Technology toward the Realization of All-photonics Network
特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会
2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化
2-9 オールフォトニクスネットワークの実現に向けた伝送技術の進展
Evolution of Transmission Technology toward the Realization of All-photonics Network
関 剛志 河原光貴 宮村 崇 前田英樹 原 一貴 金子 慎 可児淳一
限界を超えた新しい光ネットワークへ
現状のインターネットベースのネットワークの限界を打破する新たなサービス基盤の創出を目指し,光を中心とした革新的技術を活用した超大容量・超低消費電力なオールフォトニクスネットワークの研究開発を進めている.本稿では,その実現に向けた技術検討内容に関し,コアネットワークに適用する1波長当りの大容量化,波長多重領域の拡張,空間多重技術について,また,アクセスネットワークに適用する長距離光アクセス技術,アクセスネットワークに対応したディジタルコヒーレント技術について紹介する.
特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会 2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化 2-8 超スマート社会におけるICT×宇宙通信 ICT×Space Communications in Super Smart Society
特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会
2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化
2-8 超スマート社会におけるICT×宇宙通信
ICT×Space Communications in Super Smart Society
豊嶋守生 阿部侑真 コレフ・ラドコフ ディミタル 辻󠄀 宏之 久保岡俊宏 三浦 周
いつでも誰とでもつながるために必要な将来の通信技術とは?
現在,Beyond 5Gや6Gにおける情報通信技術のあり方についての議論が加速している.宇宙通信分野では,衛星通信が高度化・活発化しており,地上と宇宙をシームレスにつなぐ高度な情報通信ネットワークの実現が期待されている.5Gでは,高速大容量,超高信頼低遅延,超大量端末という三つの特徴があるが,更に将来的には空間的なネットワークの拡張が必要とされ,非地上系ネットワークと呼ばれる移動体との通信の高度化が重要になると考えられる.本稿では,Beyond 5G/6G時代における超スマート社会の将来像について述べる.
特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会 2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化 2-7 5G遠隔作業支援システムの実用化に向けた取組と将来展望 Efforts and Future Prospects for Practical Use of 5G Remote Work Support System
特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会
2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化
2-7 5G遠隔作業支援システムの実用化に向けた取組と将来展望
Efforts and Future Prospects for Practical Use of 5G Remote Work Support System
山本将史 池田直仁 大野千代 中村俊輝 中道拓也
現場のディジタルトランスフォーメーションを目指して
市場では労働力人口減少,熟練者不足といった課題があり,生産性向上とともに非労働力人口の積極活用,熟練者の効率的な活用が求められている.日立では社会課題の解決,新たな価値提供に向け,産業分野を1stステップとして現場と遠隔をつなぐ遠隔作業支援システムを開発している.本稿では,当社が考える遠隔作業支援システムの全体像を説明し,当社独自のARスマートグラスの紹介と現場適用に向けた取組を述べる.更に現場適用に向けた遠隔作業支援システムの開発アプローチを説明し,最後に開発したプロトタイプの紹介を行う.
特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会 2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化 2-6 2030年代の未来社会を支える新しい社会基盤の構築に向けて ──豊かなライフスタイルの実現に向けた研究開発── Creating New Social Infrastructure to Support the Future Society toward the 2030s : Research and Development for the Realization of a Better Life
特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会
2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化
2-6 2030年代の未来社会を支える新しい社会基盤の構築に向けて
──豊かなライフスタイルの実現に向けた研究開発──
Creating New Social Infrastructure to Support the Future Society toward the 2030s : Research and Development for the Realization of a Better Life
矢崎智基 大谷朋広 小野智弘 加藤晴久 菅野 勝
IoT,AI,XR,ロボティクス…私たちの生活はどう変わる?
2030年代の社会では,現実世界とサイバー空間がリアルタイムかつダイナミックに調和して動作する新しい社会基盤が構築されることで,様々な社会課題の解決や豊かなライフスタイルの実現が可能になると期待されている.本稿では,KDDI総合研究所が考える2030年のライフスタイル像,及び新しい社会基盤を支える個々のテクノロジーについてKDDI総合研究所の研究開発事例(IoT,AI,XR,ロボティクス)を紹介する.
特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会 2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化 2-5 2030年に向けた次世代ネットワークの検討 Studies on Next Generation Network towards 2030
特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会
2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化
2-5 2030年に向けた次世代ネットワークの検討
Studies on Next Generation Network towards 2030
赤田正雄
5Gの先,6Gで求められる技術要件とは?
2020年現在,世界各地域で5Gの商用導入が進展しつつある.それと並行して,2030年頃実現を目指した次世代ネットワーク(6G)の検討も世界中の標準化団体,研究フォーラムで既に始まっている.本稿では,これら次世代ネットワークの検討活動におけるファーウェイの発表の中から,ユースケース,要求条件,新規技術領域に対する検討内容を紹介する.また,6Gに向けた5Gの進化提案(5.5G)についても紹介する.