特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会 2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化   2-4 5G/Beyond 5Gに向けたネットワーク技術AI化へのチャレンジ Challenges to Network and AI Technologies towards 5G and Beyond 5G Era

特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会
2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化
 
2-4 5G/Beyond 5Gに向けたネットワーク技術AI化へのチャレンジ
Challenges to Network and AI Technologies towards 5G and Beyond 5G Era

p.425
下西英之 谷尾真明 岩井孝法 黒田貴之

AIを活用した次世代通信技術の実現を目指して
 5G(第5世代移動通信システム)やBeyond 5Gの時代,ディジタルトランスフォーメーションは更に加速し,あらゆるものがディジタル化され実世界と仮想世界との融合が深く進んでいく.ここでは無線通信技術とサービス/アプリケーションの基盤技術は共進化の関係となり,その両方においてAI技術の果たす役割は大きい.このようなAIによる技術進化について,超大容量の無線通信に向けた電力増幅器の非線形ひずみ補償技術,ネットワーク混雑や競合による品質劣化を自動で回避する学習型通信分析技術,複雑なシステムの設計を迅速に行うための学習型自動設計技術を紹介する.

特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会 2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化   2-5 2030年に向けた次世代ネットワークの検討 Studies on Next Generation Network towards 2030

特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会
2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化
 
2-5 2030年に向けた次世代ネットワークの検討
Studies on Next Generation Network towards 2030

p.432
赤田正雄

5Gの先,6Gで求められる技術要件とは?
 2020年現在,世界各地域で5Gの商用導入が進展しつつある.それと並行して,2030年頃実現を目指した次世代ネットワーク(6G)の検討も世界中の標準化団体,研究フォーラムで既に始まっている.本稿では,これら次世代ネットワークの検討活動におけるファーウェイの発表の中から,ユースケース,要求条件,新規技術領域に対する検討内容を紹介する.また,6Gに向けた5Gの進化提案(5.5G)についても紹介する.

特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会 2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化   2-6 2030年代の未来社会を支える新しい社会基盤の構築に向けて ──豊かなライフスタイルの実現に向けた研究開発── Creating New Social Infrastructure to Support the Future Society toward the 2030s : Research and Development for the Realization of a Better Life

特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会
2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化
 
2-6 2030年代の未来社会を支える新しい社会基盤の構築に向けて
──豊かなライフスタイルの実現に向けた研究開発──
Creating New Social Infrastructure to Support the Future Society toward the 2030s : Research and Development for the Realization of a Better Life

p.440
矢崎智基 大谷朋広 小野智弘 加藤晴久 菅野 勝

IoT,AI,XR,ロボティクス…私たちの生活はどう変わる?
 2030年代の社会では,現実世界とサイバー空間がリアルタイムかつダイナミックに調和して動作する新しい社会基盤が構築されることで,様々な社会課題の解決や豊かなライフスタイルの実現が可能になると期待されている.本稿では,KDDI総合研究所が考える2030年のライフスタイル像,及び新しい社会基盤を支える個々のテクノロジーについてKDDI総合研究所の研究開発事例(IoT,AI,XR,ロボティクス)を紹介する.

特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会 2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化   2-7 5G遠隔作業支援システムの実用化に向けた取組と将来展望 Efforts and Future Prospects for Practical Use of 5G Remote Work Support System

特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会
2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化
 
2-7 5G遠隔作業支援システムの実用化に向けた取組と将来展望
Efforts and Future Prospects for Practical Use of 5G Remote Work Support System

p.447
山本将史 池田直仁 大野千代 中村俊輝 中道拓也

現場のディジタルトランスフォーメーションを目指して
 市場では労働力人口減少,熟練者不足といった課題があり,生産性向上とともに非労働力人口の積極活用,熟練者の効率的な活用が求められている.日立では社会課題の解決,新たな価値提供に向け,産業分野を1stステップとして現場と遠隔をつなぐ遠隔作業支援システムを開発している.本稿では,当社が考える遠隔作業支援システムの全体像を説明し,当社独自のARスマートグラスの紹介と現場適用に向けた取組を述べる.更に現場適用に向けた遠隔作業支援システムの開発アプローチを説明し,最後に開発したプロトタイプの紹介を行う.

特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会 2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化   2-8 超スマート社会におけるICT×宇宙通信 ICT×Space Communications in Super Smart Society

特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会
2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化
 
2-8 超スマート社会におけるICT×宇宙通信
ICT×Space Communications in Super Smart Society

p.453
豊嶋守生 阿部侑真 コレフ・ラドコフ ディミタル 辻󠄀 宏之 久保岡俊宏 三浦 周

いつでも誰とでもつながるために必要な将来の通信技術とは?
 現在,Beyond 5Gや6Gにおける情報通信技術のあり方についての議論が加速している.宇宙通信分野では,衛星通信が高度化・活発化しており,地上と宇宙をシームレスにつなぐ高度な情報通信ネットワークの実現が期待されている.5Gでは,高速大容量,超高信頼低遅延,超大量端末という三つの特徴があるが,更に将来的には空間的なネットワークの拡張が必要とされ,非地上系ネットワークと呼ばれる移動体との通信の高度化が重要になると考えられる.本稿では,Beyond 5G/6G時代における超スマート社会の将来像について述べる.

特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会 2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化   2-9 オールフォトニクスネットワークの実現に向けた伝送技術の進展 Evolution of Transmission Technology toward the Realization of All-photonics Network

特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会
2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化
 
2-9 オールフォトニクスネットワークの実現に向けた伝送技術の進展
Evolution of Transmission Technology toward the Realization of All-photonics Network

p.463
関 剛志 河原光貴 宮村 崇 前田英樹 原 一貴 金子 慎 可児淳一

限界を超えた新しい光ネットワークへ
 現状のインターネットベースのネットワークの限界を打破する新たなサービス基盤の創出を目指し,光を中心とした革新的技術を活用した超大容量・超低消費電力なオールフォトニクスネットワークの研究開発を進めている.本稿では,その実現に向けた技術検討内容に関し,コアネットワークに適用する1波長当りの大容量化,波長多重領域の拡張,空間多重技術について,また,アクセスネットワークに適用する長距離光アクセス技術,アクセスネットワークに対応したディジタルコヒーレント技術について紹介する.

特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会 1. 全体概要・展望   1-1 Beyond 5G/6Gへの向き合い方 How to Face Beyond 5G and 6G

特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会
1. 全体概要・展望
 
1-1 Beyond 5G/6Gへの向き合い方
How to Face Beyond 5G and 6G

p.394
森川博之

Beyond 5G/6Gは技術だけではない.むしろ技術ではない
 産業構造や事業構造や社会構造までをも変革するディジタルシフトがCOVID-19で加速される中で,Beyond 5G/6Gの「制約がなくなる世界」の実現を進めていかなければいけない.テクノロジーは進化するとの認識でもって,5G/Beyond 5G/6Gの土俵に上がり,気づきから未来を創っていくことが大切である.関わる人や‘もの’が増大する特質を有することから,関わる人や‘もの’全てに共感し,つないで巻き込むカスタマーサクセス人材も事業開発や研究開発において重要となる.

特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会 2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化   2-3 6Gに向けた無線通信技術への取組 Wireless Communication Technologies toward 6G

特集 6Gがひらく2030年の超スマート社会
2. 超スマート化社会を支えるICTの更なる進化
 
2-3 6Gに向けた無線通信技術への取組
Wireless Communication Technologies toward 6G

p.420
伊達木 隆 尾崎一幸 小林崇春 関 宏之 多木俊裕

次世代の移動通信への期待に応える技術開発
 第5世代移動通信システム(5G)は,既に運用が開始され,産業利用など活用の広がりが期待されている.一方,増大を続ける移動通信トラヒックへ対応していくためには,継続的なシステムの容量増大が必要である.更に今後2030年代を想定した場合には,Society5.0に向けて技術や社会が高度化されていく中で,無線通信技術にも更に高い能力が求められることになる.本稿では,このような将来を想定した場合の第6世代移動通信(6G)に向けた無線通信技術の展望と,更なる高周波帯の活用などの取組について述べる.